弾いていたのは、ショートボブで前髪をアップにした女の子だった。 少々イメージと違ったが…正直に言う。クソ可愛い。
と、どうやら彼女はこっちに気づいていないらしい。 ピアノ…というか彼女のまわりに世界ができているようだ。
このピアノをきいていたい、そう思ったがピタリと演奏は止まってしまった。 まだ曲は終わってないのに… すると、彼女の体は突然後方に倒れ込んでいって…
「って、はぁ?!…っと、」
ダッシュで駆け寄り、なるべく負担がかからないように抱きかかえる。 気絶してしまったのかと焦ったが、彼女の呟いた言葉を聞いて力が抜けた。
「…お腹……減…っ……た…」
…………まいったな…
(ラブハリケーンも出せずじまい。)
|