夕暮れの屋上。
お昼時はお弁当を広げる生徒で賑わうこの場だが、この時間屋上にいる生徒は少ない。 しかし男子生徒が3人、今日この場に集まっていた。彼達は仲良く夕暮れの一時を楽しみながら──…
「サンジ、お前は俺達の謎を解明するんだ!」 「はァ?!」 「逆だ逆。俺達がコイツの謎を解き明かすんだ。」 「いや、意味分かんねェよ。」 「だから全部吐けつってんだよ。お前の脳みそ大丈夫か。」 「お前にだけは言われたくねェ。」
ったく何なんだ?せっかく人が気持ちよく眠ってたのに、いきなりこいつらに起こされて…起こされたと思ったら今度は問い詰められて… いや、問題はそこじゃない。 こいつら何つった?全部吐けって…もしかして、バレたってことか?イヤまさかこんな鈍感2人に…
「もしかして、ナミさんか?」 「よく分かったなー。何で分かったんだ?」 「…あーもうまどろっこしいのはやめだ、やめ。おいサンジ!」 「え?!…な、なんだよ。」
普段呼ばれ慣れてないゾロに急に名前を呼ばれ、ビクッと肩が上がる。 何をするのかと思ったら、ゾロはポケットから何か紙のような物を取り出して俺に突きつけた。それは、紙というより絵…いや写真だ。
…って、何だよこれ!!
「てめ、今すぐそれを俺に渡せ!!」 「全部言ったら渡してやる。そのかわり、言わないんならこれはナミの手元に帰ることになる。」 「やっぱりナミさんの差し金かよ!…っくそー、お前らにだけは気づかれないと思ってたのに…」 「サンジ、全部言っちまえよ。俺も知りてェ!」 「言う言わないはお前の自由だ。でも、これ見せられたら選択肢は1つしかねえよなァ?」
ゾロ…マリモの口元がニヤリと吊り上がった。怒りと恥ずかしさで腕が震える。 それもこれも、全部マリモが持ってる写真のせいだ。これがナミさんの手に渡ると考えると考えただけで悪寒が…
俺は心の中で必死になまえちゃんに謝りながら、全てを話すため、口を開いた。
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