夕暮れの校舎裏。
普段は不良の溜まり場をなっているこの場だが、今彼らの姿は見えない。 そのかわりにそこにいたのは、女生徒2人。彼女達は仲良く夕暮れの一時を楽しみながら──…
「だから、全部洗いざらい吐けって言ってるのよ。」 「おえ゙えぇぇ。」 「そっちじゃないわよ!あんたの隠し事を包み隠さず全部言えって意味よ!」 「だから無いんだってば!」
楽しみながら?冗談じゃない。私はただ今脅され中だ。 それもこの学校で目をつけられたくない女ランキング・ナンバーワンのナミに。下手すれば命の危機かもしれない。(断じて大げさじゃない。)
「この私に逆らおうっていうの?」 「100円あげるから。」 「それっぽっちのお金で私が動くわけないでしょ。」 「じゃあ500円。」 「値段の問題じゃないわ。」
ドンッ! 私の真横にナミの手が押し付けられた。思わずビクッと肩が上がる。
恐る恐る目を上げると、鬼の形相のナミがこちらを睨みつけていた。こんな姿を見たナミに好感を持つ人がいるだろうか。(あ、サンジ君がそうか…) なんて考えている暇は無い。 あ、これ殺されるわ。本能がそう告げた。(しつこいようだけど、断じて大げさじゃない。)
「分かったごめん全部話す。」 「いい子ねなまえ。」
私の胸ぐらを掴んでいた腕がパッと離された。そしてコロッと笑顔になるナミ。
「でもナミだから話すんだよ。絶対に他の人に言っちゃダメだからね!」 「わかってるわよ〜。じゃ、500円。」 「へ?」 「くれるって言ったじゃない。私、いらないなんて言ってないわよ。」 「鬼!!」
でもまあ、口止め料としてなら安い方かな… 私は、心の中でサンジ君に謝りながら、ナミを信用して全てを打ち明けた。
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