「ああぁぁあぁ!!ルフィそれ私の唐揚げ!」 「ぼーっとしてるのが悪ィんだぞ!…って泣くなよなまえー!唐揚げのかわりにほら、パンやるからよ。」 「だからそれ俺のパンな!!」 「おいてめルフィ何なまえちゃん泣かせてんだ。オロすぞ。」 「ッてェ!悪かったよなまえ、ごめんな?じゃあパンに加えていちご牛乳もやるからよ。」 「それも俺のだから!!」 「な…マリモてめえいちご牛乳なんて飲んでんのか…」 「悪ィかよ。」 「いや、いちご牛乳に罪はねえが…いちご牛乳が合わねえお前が罪だ。」 「意味わかんねェよ…」
「あんたたちご飯くらい静かに食べなさいよ!!」
ナミの堪忍袋が切れた。その言葉で少し大人しくなる。周りを見ても、雪が溶けるようにみんながしゅるしゅると静かになった。 ナミってすごい…素直にそう感じた。
「なまえ、泣くほど唐揚げ食いたかったのか?」 「いやそんなルフィほど食い意地はってないよ。」 「でもすげェうめーよ。ありがとな!」 「うわあぁぁあん!だから食べたかったんだよー!朝から楽しみにしてたのに…」
あ。思わず叫んでいた言葉にハッとして固まる。ゆっくり、ちょっとずつ目を動かす。目に入ったのは、ニヤニヤと笑っているサンジ君だった。 ち、ちくしょうルフィの奴め…!と、ルフィに罪をなすりつけてしまった。
「にしてもよ。」
今度はウインナーをもごもごと口に含みながら、ルフィが口を開いた。ナミが分けてあげたものらしい。かわいいタコさんウインナーだ。
「サンジが学校来たってことは、おめー住むとこ決まったんだな?」
「「ぶはッ!!」」
タコさんウインナーに見とれていた私は、突然のルフィの発言にむせこんでしまった。 げほげほとせきこみながら顔を上げると、サンジ君もむせてしまったらしい。 …こんなあからさまな反応して、バレたらどうするんだ、私!
「ま、まあな。一応…」 「本当か?!じゃあ今度遊びに行っ「却下!!」…えーなんでだよー!」
ハラハラしながら2人の会話を見守る。 サンジ君嘘つくの下手そうだし…でもルフィなら騙せるかな… 考えがぐるぐると頭を駆け巡っている。
そんな危機的状況を救ってくれたのは、お昼時間終了のチャイムだった。
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