「ふ、あ〜ぁ…」
思わずあくびが出てしまった。ただでさえ朝一番の授業は眠いのに、それが退屈で苦手な授業だともっと眠気が襲ってくる。 そんなあくびが出てしまった今は経済の授業中だ。
「お前、クロコダイルの授業でよくあくびできるよな。」 「ゾロだって半分寝てたくせに。」 「寝てねェ。」 「そこ、寝るな喋るな授業受けろ。」 「「痛ッ!」
ヒュッと黒板の方から飛んできたのはチョークだった。見事に私とゾロの額に命中したチョークは、ポトリと真っ白のノートの上に落ちた。 たかがチョークと侮ってはいけない。クロコダイルのチョークは何故か知らないけど弾丸並のスピードで飛んでくるため、痛い。すごく痛い。どれくらい痛いかっていうとデコピンの3…いや5倍くらい。
「ちぇ…ゾロのせいでバレちゃったじゃんか。」 「いや俺のせいかよ。」 「マリモのせいだ。」 「おめーは黙ってろ!何で第三者に言われなきゃなんねェんだ!」
はあ、とため息をつき、仕方なく真っ白なノートにシャーペンを突き立てた。カツカツと先生が教卓からこちらに歩いてくるのが見えたからだ。が、怒られるのは私では無かったらしい。先生は私の後ろの彼に手を伸ばした。
「お前は授業中に堂々とタバコを吸うな。」 「あっ!お前だって授業中に吸ってんだろオイ!」 「俺は大人でお前はガキだ。黙ってそいつを口から外せ。」
火の粉は後ろのサンジ君にも降り注いだようだ。そっと後ろを向き、「ごめん。」と両手を合わせて謝る。「いいよ。」とこたえるように、サンジ君は笑いながら手をひらひらと降った。
「チッ…マリモのせいでバレたじゃねえか。」 「今のはお前のせいだろ!!」
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