何とか校門の中に入り説教を免れることができた私は、そのまま玄関まで走った。なるべく全速力で靴を履き替え、校舎内もダッシュして教室へ向かう。

ガラ───、
担任(スモーカー)不在のため、HRもまだ始まっておらず、教室はガヤガヤと賑わっていた。とりあえず一安心。


「あら、なまえ遅かったじゃない。スモーカー先生きてなくてよかったわね。」
「いやぁーさっき会ってきたんだけどね。」

呆れを含んだ笑いを浮かべるナミ。しばらく話していると、急にガラッと勢い良く教室のドアが開いた。
そして、その人…ゾロはずかずかと大股でこちらに向かって歩いてくる。


「おいなまえ!! さっきはよくも1人でとっとと逃げやがっ…ぐはァッ!!!」
「ゾロ?!」

私に向かって文句を言い出したかと思うと、急に床に倒れ込んだ。驚いて近寄ると、そのゾロの真後ろに立っている人物の足が脳天にめり込んでいた。

「レディに向かって牙むいてんじゃねェよクソ野郎。」
「サンジ君、足癖悪かったんだね。あと口も。」
「…何かその言い方変な意味に聞こえるよ?」
「てめェこの野郎!! いきなり何しやがんだ!!」
「そりゃこっちのセリフだクソマリモ。」
「やんのか眉毛。」

お互い子供の喧嘩みたいな言い合いをしながら、2人は席にカバンを置いた。ちなみに、ゾロは隣の席だ。私の隣なんて、ゾロってくじ運悪いよね、なんて。
私もそろそろ席につこうと、イスをひいたとき。ふと目に入ったものがあった。


「げ。サンジ君、私の後ろだったの?」
「げ、って言われた…!!」
「どこまで近いの…」

同じ学校、学年、クラス、そして席は前後ろで住んでるところは同じ。神様って時々本当に意地悪だとつくづく思う。というか、偶然にも程があるだろ!どっからか絶対誰かの陰謀入ってる。神様コノヤロウ。


「お。何、嬉しい?もちろん俺も嬉し「アホか。」あァ?」
わざととしか言いようがないタイミングで悪態をつくゾロに刃向かうサンジ君。この喧嘩は意図的なものだ。絶対。


「…この2人は根本的に何かが合わないの?」
「なまえはサンジ君に会うのは初めてだったわよね。大丈夫よ、今に始まったことじゃないわ。いつもこうだからほっときなさい。」


初めてどころか、とりかえしのつかない所まで行ってしまったんですが…

(返して、私のノーマルライフ。)

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