05


「で?」
『で?とは…』
「とぼけるなよ、そのイケメンくんとはその後会ったりしたのかって聞いてるんだよ。」
『や、あの日がたまたまだったのか、私の入っているシフトの時間には現れてないかな…?』


休日。
オタク仲間であり親友の男勝りな女友達の雪(ゆき)とアニメショップに行き休憩がてらモックでハンバーガーを食べて居た。
イケメンくんの事はネタ感覚で雪に話をして居たのだが、意外にも雪が話にノリノリでよくイケメンくんの事を聞いてくるのだ。
自分的には一瞬の気の迷いとして思うようにしていたのだが、今まで男っ気がなかった私の恋愛(絶対に認めて居ないが)話に興味を持ってしまった親友のお陰で出会った2週間後の今でもこうやって話題にされるのだ。


「舞はさ、眼鏡もその外見もどうにか変えれば絶対に彼氏なんかすーぐ出来るのに勿体無くね?」
『煩いな…大きなお世話だし、雪は頑張らなくても幼馴染君が居るからそんな風に「あいつの事は忘れて」

間髪入れて否定する幼馴染君とはまだ面識はないのだが、話によればその幼馴染君もかなりのイケメンくんらしい。雪は小さい頃からその顔に慣れて居るから「みんな騒ぎすぎなんだよ」と言っている。

雪は口調がキツめで性格もサバサバしている。外見もボーイッシュなのを好みスカートなんてものを履いたことが無い。
一度、ぶっちゃけトークを雪とした事がある。

−雪はもしかして女性が好きとか?−

この質問の答えはどちらもいけるという事だった。
でも、別に性別なんてモノは関係なく自分が生涯この人となら安心して人生を全うできる。そう感じられれば女でも男でも良いとは思ってる。と、ハッキリと嘘なく話してくれた。
そんな彼女のことが友人として好きになった。
だから周りが雪の事を誤解して怖いとか愛想が無いとか男女とか(過去に何度もこういった事を私に言ってくる可哀想な人間が多く居た)言っても、私はこれからも離れる気はさらさら無い。
その気持ちを向こうも抱いてくれているのか、私が落ち込んだり恋バナのような事を言った時は雪の方から話題を持ちかけ心配してくれたり応援してくれたりするのだ。


「あいつは腐れ縁。顔は世間一般で言ったらイケメンって部類に入るのかもしれないけど、中身はただのナルシスト」
そう言えばスマホの写真を見せてきた。





ああ、神様
夢であってくれ




そこには雪が心底嫌そうな顔をしながら幼馴染君とツーショットで映っていた。
幼馴染君は顔をふにゃりと嬉しそうに崩して満面の笑顔。








そう、あのイケメンくんがそこに映っていた











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