04


目の前にはイケメンくん
どうしてここに居るのか、なんで声をかけてきたのかもうとにかく一瞬で頭の中が真っ白になった。多分今物凄く不細工な顔をしている。


「……あ、」
『う、へ?』
「さっきの店員さん」
言えば隣に座って来た。

え?え?ちょっと待って、整理させて!
まず私の顔を覚えていた?
それと隣に何故座る!?
あ、待って、私今お酒!飲んでる!

慌ててお酒を袋に入れれば、ズズっと隣に少しズレイケメンくんから距離を空ける。
その行為に不思議に思ったイケメンくんはわざわざ空けた距離を詰めてくる。

「なんで離れるんすか?」
『いやいや、なんで近くに来るんですか!?』
「お姉さんが離れるから」
『それよりなんで隣に座るの!?』
「なんでって、、此処俺の特等席」
言えばイケメンくんはさっき買ったのであろうコンビニ袋から、ビールを取り出しごく自然に飲み始めた。
えっと、じゃあ、邪魔にならないうちに…

そう思い「じゃあ私はこれで…」と、いそいそと立ち去ろうと自分のお酒が入った袋を持とうと手を伸ばすと袋がイケメンくんに取り上げられた。
『ちょっと…!』
「一緒に飲もうよ」
言えば爽やかな笑顔が飛んでくる。
「一人で飲むより寂しくないでしょ」
『私は一人でも楽しいです!』
「あ、満月」
『人の話聞いて!?』
いいじゃん、俺が寂しい。など言うもんだから断れなくなった。



それから暫く無言のまま数十分は経つ。
向こうも特に話そうとはせず、私はガチガチでお酒の味が分からない状態だ。
それでもアルコールは回るわけで。
本当は全部飲むはずじゃ無かったけれど、あっという間に2日分のお酒を飲み切ってしまった。
お酒は弱い方では無いけれど、短時間でこの量は飲みすぎた。

頭がふわふわし始めていた為、気づかなかった。先程まで見えていた視野が無くなってるのを。

それでも流石におかしいと思い、キョロキョロと顔を動かし、もしやと隣を見れば眼鏡を持ったイケメンくんと目が合った。


『…な!?』
「………あ」
『ちょっと、返してよ!』
「名前」
『え?』
「名前教えて。」
『……橘舞』
「舞さん」
『…何よ』
「いや、呼んだだけ。はい、眼鏡」

差し出された眼鏡を慌ててイケメンくんから受け取り「やっぱりもう帰る!」と立ち上がりイケメンくんに何か言われていたけれど気にせず酔った体を無理矢理動かしながら家に帰った。



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