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最近気付いたことなのだが、俺はどうやらなまえにしか欲情しなくなってきているようだ。世間が言う“良い女”に出会っても、どれだけ官能的な女に出会っても、俺には何も感じることは無い。



『はあ〜!いい気持ちだった〜!』



風呂上がりの血色のいい頬や適当に着ているのであろう俺の服から覗く太ももを見ると胸騒ぎを感じずにはいられなくなるのだ。普段は隠している太ももの蜘蛛のタトゥーも見えて、全てが愛おしい。

ベッドに寝転がるなまえに覆いかぶさり、太ももに刻まれた蜘蛛にキスをすると、なまえは楽しそうに笑う。



「お前の前じゃムードもクソもあったもんじゃないな」
『だって、クロロってば難しい顔してると思ったら急に足にキスしてくるんだもん。ビックリしちゃった』
「…いつもと変わらない顔じゃなかったか?」
『ううん。全然違った。考え事をしてる時のクロロの顔だった』



俺の頬を両手で挟みながら自信満々に言うなまえは俺の頬を伸ばしたり抓ったりして遊んでいる。



「お前、いい女になったな」



俺がそう言うと、なまえは『ふふ』と小さく笑い、



『今頃気付いたの?クロロのおバカさん』



と俺の鼻にキスをした。

うん。これはかなりキた。



2021.02.07