*side:K.S


コンコン、とノックをすると中から「はーい」と返事が聞こえたので、思いきりドアを開ける。

「!!!」

『Trick or Treat!!お菓子くれなきゃいたずらするぜよ!!』

「……」


沈黙。
呆然とした表情でこちらを見ていた蔵だが、しばらくするとニヤリと口角をあげる。


「…えぇで」

『っしゃー!!さっすが蔵!!』

「…お菓子あげる、とは言うてへんで」

『は』


「俺はお菓子はあげへん。…やから、“いたずら”してみ?」

『えっ…と…?』

「ほら、はよぅ魔女っ子さん?」

『うーっ…』


成程そういう手もありか、と内心感動しつつも、こう挑発されると乗らずにはいられないので、そっと椅子に座っている蔵に近づく。

『(くそー私はお菓子目当てなんにーっ…!)』


だがここまで来たら引き下がれない。
タイミングを見計らい、素早く余裕の表情でこちらを見上げている蔵の頬を両手でつねった。


「っ!?」

『っしゃあ!!成功した逃げろっ…おぅふ!!』


見事ミッション成功したので早々にずらかろうとしたのだが、あっさりと蔵に捕まり引き寄せられホールドさせる。


「つーかまーえたー」

『なっ…』

「まだまだ爪が甘いで、蓮」

『チッ…絶対ミッションコンプリートしたと思ったんに…!?』


と、突如身体を反転させられ、視界が暗くなり唇に何かが当たる。
明るくなったかと思えば、すぐ近くには真っ黒い笑みを浮かべる蔵が。


「Trick or Treat」

『え』

「お菓子くれな、いたずらしてまうで?」

『え、お菓子…ちょ今無いんですけど「あ、そうなん?…ほな、



お仕置きせなアカンな」



『は?え、ちょお仕置きじゃないだろいたずらだろねぇ、ちょ、待っ…アーッ!!!!!!』



この後は想像に任せます。
一言で言えば新手の魔女狩りに遭いました。





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