尾月 郷。
五月も半ばの、進級、あるいは入学してからクラスの中でなんとなくグループが出来終わる時期。
そんな中途半端な時期に転入してきた嵐。みたいな小猿。
もっさりとした黒髪で顔を隠し。
学園を混乱の渦に叩き落した彼に、彼氏を取られた悲劇のヒロインな小津 桔梗。
可哀想なその人は、転入生に心奪われた彼氏と別れてから人前に姿を現さなくなった。
なんでも、転入生にアピールする元彼氏の姿を見れなくて、部屋に篭ってしまっているらしい。
生徒会長親衛隊隊長を務め、抱かれたいランキングでは堂々の一位を飾る…。
「あ、…っあん、いいよ、そこ…っ、ああ!」
小津 桔梗。つまり、僕のこと。
なんの手違いかそんな噂が流れてしまっているけど、傷心もなんもあったもんじゃない。
「小津さま、あっ、きもち、です…っ!」
「ふあ、あ、ぼくもきもちい、っ、もっと突いてぇ!」
激しく打ち付けられる腰に、脚を絡める。
綺麗とも可愛いともよく言われる僕は、容姿の所為か、はたまたソウイウ雰囲気でも出てるのか、幼い頃に従兄弟のお兄さんに手篭めにされ今ではビッチに成長してしまった。
食い漁るのを半ば目的に入学した男子校で、抱かれたいランキングなんてもので一位になってしまった僕は、ランキング入りした者に約束されている生徒会入りを蹴った。
生徒会なんて言うただの学園の雑用係になりたくなかったからだ。
そのために、親衛隊なら生徒会入りを拒否できると聞いて親衛隊に入隊した。
清純そう、と称される僕が乱れる姿なんて想像できないらしい。
ましてや外部入学の僕が、男の味を知ってるなんて思っても見なかったのだろう。
面白半分に粉をかけてきた生徒会長は、見事僕の体に陥落し。
付き合い始めたのが約半年前のクリスマス。
俺様といわれる生徒会長も、いっぱしの男子高校生らしくロマンチックなところがあったらしい。
僕としても、会長は絶倫だしそれなりのモノを持ってたから付き合うことに否やは無かったけど。
転入生のことをスキになってしまったならしょうがない。
僕を満足させない恋人なんていらないのだ。
「は、…ん」
小刻みに振られる腰。
ドクドクと中に注がれるものに声が漏れる。
ぐちゅぐちゅと自分のモノをしごいて、手についた精液を舐め取る。
そのまま舌なめずりして男を見上げれば、ごくりと、僕の上に覆いかぶさる男の喉がなった。
欲を滾らせる瞳に微笑んで、ゆったりと男の首に手を回す。
「もっと、ちょうだあい?」
ペロリと唇を舐めて。
再び激しく動き出した男に、笑いがもれた。
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