俺の名前は秋田 勇希。よろしくな!

転入してからお決まりになった言葉を目の前の人物に投げかける。
黒髪に黒目。ちょっとだけ地味な顔立ちをしたそいつは、転入したクラスで隣の席になったやつ。
やっぱ隣同士、友達になるもんだよな?
記念すべき一人目の友達は同室者と!って意気込んでたけど、それは職員室まで案内してくれた副会長となったし。
部屋に行っても同室のやつは不在で、結局となりの部屋の二人に食堂へは連れて行ってもらった。
そこで生徒会のやつらと仲良くなって、友達百人計画は順調に歩みだした、と思う。
会長にキスされたりしたけど気にしない。

結局、一番友達になるべきだろう同室者はその日帰ってこなかった。
玄関にネームプレートが貼ってあったし、寮長も同室者がいるといっていたから、一人部屋ではない。
だからたぶん、同室者は誰かの部屋に泊まりに行ってるんだろう。いいな!俺もいきたい!
きっと友達になれば連れてってくれるよな!

「勇希、こんな平凡に話しかけちゃだめですよ」

授業中なのに副会長の声がする。と思ったら、腕を掴まれて立たされた。

行きますよ、って言われながら教室を出るようにグイグイと手を引っ張る副会長。

まだ授業中なのに!

「勇希は転入してきたばかりなんだから、もっと僕たちと仲良くなるためにお話しましょう?ね?勇希、だめですか?」
「仲良くなるためか…なら、いいかな…?」
「ええ!行きましょう!役員特権で、授業免除にしますから!」

ぱあっと輝くように笑う副会長。

あ、まだ隣のやつの名前聞いてないのに!

まあ、隣の席だしまだ聞く機会はあるよな。
そうだ!今日の昼一緒に食べようって誘ってみよう!

出会った当初のうわべだけの笑顔じゃなくて、心からの笑顔を浮かべる副会長を隣に生徒会室へ向かう。

そういえば。
同室者のこと生徒会のみんななら知ってるかな?あとで聞いてみよう。

ネームプレートを思い出す。
山田 優飛。
俺の同室者。いいやつだとイイな!





まずは自己紹介と意気込みをどうぞ。

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