※このお話は左様、ならばのミケ様への相互記念にミケ様宅の小説、あいゆえに、のお子様をお借りして書かせていただいた小説になります。











今日は久しぶりに兄の陸と食事をする約束をしたので、陸の部屋まで 急いで向かっている最中の僕だったけれど、陸から来たメールを見て、落ち込まずにはいられない。


「『急な来客で今は無理』かぁ……」

内心気になりながらも、陸に余計な心配させたくなくて、

「『大丈夫だよ〜』っと。これでいいや」

簡単な返事をすぐに返したあと、部屋にもう一度戻るのもためらって、どこかで暇潰しできないかなぁと寮の中を散策することにした。


せっかく道哉を振り切って来たんだし、ね。


同室の道哉は 空気は読めないし、声は大きいしで、苦手なところも多いけど嫌いではない。でも陸が関わるとなると話は別なんだ。

道哉も陸に興味があるらしく、事あるごとに僕に探りを入れてくる。

僕は、陸に関しては心も狭いし性格も悪いと自分で思ってる、だけど陸がお嫁に行くのは 僕が認めた人にして欲しいんだよねぇ。


だってあんなに心が清らかに真っすぐで、顔立ちも綺麗な陸だからこそ、そんな陸に惹かれる人なんてたくさん居るに決まってるんだから。



そんなことを考えながら着いた先は、寮の共同談話室。


まだ誰も居ないそこに僕はドアを開いて中に入る。


自動販売機で、飲み物を買って 一番奥にあるソファに座って一息吐くと、ふいに携帯がポケットの中で振動しているのに気付いて取り出す。

着信の相手は……、

「もしもし」

『稜?』

陸だった。

「うん。僕だよ、どうしたの?」

『用事、終わった、から。今、どこ?』

綺麗な耳障りの良い声に、自然と自分の頬が緩むのが分かった。

「今は、談話室に居るよ。用事終わったならそっちに向かうね」

すると陸は、

『だ、め』

「え?」

何がダメなのか。僕にここを動かないように、言い始める。

「待ってよ陸。どうしたの?」

さすがに僕も陸の言いたいことが分からずに首をかしげる。

『危ない、から。俺が、そっちに、行く』

そして、前触れもなく切れる電話に、僕はポカンとしてしまった。


危ないって、僕が?

そんなわけないのに。むしろ危ないのは陸の方じゃないの?

陸は自分のことを少しも分かってないから心配なんだよ……。

でも、陸のことだからもうこっちに向かってると思うし、へたに僕が動いてすれ違いになっても嫌だしね。

そう納得した僕は、陸の言葉に甘えて、ここで陸が来るのを待つことにした。






それから数分後、

「稜……」

少しだけ息を切らせた陸が談話室のドアを開き、真っすぐ僕の方にやって来たんだ。

「陸、わざわざごめんね?」

すると、ふわりと陸の香りが僕を包む。

「俺、こそ……ごめん。約束、したのに」

僕は陸に抱き締められながら、手を伸ばして陸の頭を撫でると、

「大丈夫だよ〜。陸、ありがとう」

そう笑ってみせた。

「稜っ!」

ぎゅうっと僕を抱く陸の腕に力がこもり僕は嬉しくなる。

こんなに可愛い陸は、やっぱり簡単にお嫁にはだせないね。


と、耳元で僕の名前を連呼する陸の暖かさ感じながら、そう思い直したのだった
――――……。





◇おわり◇


陸+稜でした!
大好きな左様、ならばのお子様をお借りするとゆうことで、緊張しましたが 稜くんが藤縞的には書きやすくてとても楽しかったです^^*

ミケ様リクのほのぼの感が出せず、すみません(>_<)


ミケ様、相互ありがとうございました!




2010.12.15 藤縞



ThyMusの藤縞さまより頂きました^^
素敵な頂き物にテンションがとても上がりました^///^
藤縞さま、ありがとうございました!

ミケ




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