三十万打 のコピー | ナノ




譲相手で事後的な雰囲気が漂っております。閲覧には御注意を。























カーテンの隙間から射し込む朝日が眩しかった。
小さく欠伸を噛み殺して、譲は隣で眠る陸を眺める。



穏やかな寝息とは裏腹に目元は赤く腫れ、髪も乱れた姿。ぐちゃぐちゃなシーツにくるまって眠る陸の、鎖骨に噛み痕を見つけて譲は口を手で覆った。


……いつ、噛んだ…?



記憶にないそれを凝視して赤面した。ため息も知らず零れる。

どうやら己は、痕を付けたことを忘れるほど陸に溺れきっているらしかった。陸の乱れた姿が自分の余裕のなさを表していて。……初々しい中坊じゃあるまいし、恥ずかしすぎるだろ。

熱くなる頬を冷ます。

「ん……う、」

譲がひたすら羞恥心に耐える中、もぞりと小さく身じろいだ陸。目を擦りながら覚醒した陸は、ゆったりと譲を見上げた。


「…ゆ、ず」


舌足らずに名前を呼んだ陸の、赤く腫れた目許が薄く笑みを浮かべる。ほんわりと笑う姿にぐらりとした。


「、っ」
「…痛むのか?」

上半身を起こそうとした陸が小さく顔を歪める。腰が痛むのだろう、それでも起きあがった陸に不安になる。…いや、原因は俺だけどよ。



「だい、…じょぶ」


痛みに顔を小さく歪めつつ、起き上がった陸の肩からはらりとシーツが滑り落ちる。露わになった身体に、苦笑をこぼした。我ながら執念深さを感じる無数の赤い痕に、苦くわらった。

痕に気付いてないのか、それともまだ覚醒しきってないのか、慌てる様子もなく陸は滑り落ちたシーツを指先で拾い上げる。それで再び肩を隠すと、何故だかこちらを見上げて首を傾げる。



「ゆず、…着替え、忘れたから…かして?」

意図してはいないのだろう上目。青い瞳がこちらを見上げている事実。

どこまでも澄んだ瞳と、無垢な表情。シーツによって半端に隠された白い肢体が息を呑むほどアンバランスで。


ずん、と腹の奥に熱が宿る。



服を欲する陸からシーツを剥がして押し倒した。
見開かれた青に口付けを落として、笑う。



胸中で陸に謝りつつ、噛みつくように陸の唇を貪った。




いただきます、なんて








……………………
一位: 麻埼譲 (387票)
二位: 桂木稜 (125票)
三位: 赤崎啓 (68票)
四位: 松野竜 (56票)
五位: 峰高貴 (55票)
六位: 如月峻 (42票)
七位: 木野尊 (41票)
八位: 藤代茜 (5票)
九位: 春風灯 (4票)
十位: 更科満 (3票)
十位: 橘海斗 (3票)
十位: 彩音兄弟 (3票)
十三位: 雨宮仁 (2票)
十四位: 秋月道哉 (0票)

合計:794票

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