10 | ナノ


現在地、食堂。
誉学園はとてもとても大きい食堂を有している。大きすぎるが故に、食堂の席が全て埋まることはなく、例え端のほうで騒いでもそれが中心まで響くことはない。ましてや、三人程度の生徒がなにをしようがその雰囲気が食堂全体に影響することなんてありえない。・・・はずなのに。


その異様な空気を発している三人のうち二人が、役付きの有名で人気な生徒で。残りの一人が最近話題の生徒であったとしても。近頃この学園にやってきた転校生のように馬鹿でかい声で騒いでいる訳でも、喚いているわけでもないのだ。
彼らにとっては普通に食事をしているだけなのだろう。だろうけども・・・!!


「陸、これ美味しいよ。食べない?」
「・・・ん、」
「はい、あーん」
「・・・あ、・・・ん・・・おいし、い」
「ああ、ほら。口の端にソースついてるぜ」
「ありがと、・・・ゆずる」


っなにこの甘い空気!


桂木さまの弟である稜くんが一般生徒で、役付きの専用席で食べれないからって、なにも食堂のど真ん中の席で食べることないじゃないかっ! 無駄に広い食堂全体に、甘すぎる空気が広がっている。ああもう胸焼けしそうだよ・・・っ!


明らかに少なすぎる桂木さまの食事量。それでも桂木さまにとっては多いのか、ゆっくりゆっくり咀嚼する合間に度々自分の料理を食べさせる稜くんに麻埼さま。わざわざ、あーん、をして食べさせるのはまだいい。無駄にラブラブな気はするけど、兄弟幼馴染のスキンシップとして受け流せる・・・気がする。でも・・・でも!桂木さまの口端についたソースを舐めとるってどうなの麻埼さまっ!!「それ美味しそう」とか言って桂木さまが銜えてるアスパラガスの生ハム巻きを反対側から齧るのって兄弟だからってありなの稜くんっ!?でもってそれを自然に受け流す桂木さまはいろいろと無防備すぎて危ない気がするなっ!!


桂木さまを間に挟んでイチャイチャする様はなんともいえないけど、なんだかどんどん時間が経つにつれて慣れてきた自分が怖い・・・っ!っていうか三人の仕草が自然すぎてなにも突っ込んじゃいけない気がしてくるんだよね。これって洗脳?・・・ああ、でも。



「譲、稜・・・・・・デザー、ト、頼んでも・・・いい?」





確実にこれから何度も見る気がするから、慣れたもん勝ちかもしれない・・・! とか思ってる時点で日常として受け入れちゃってるよね、ぼく!

……………………
羅緒さま、リクエストありがとうございました!
陸稜お好きなんですねっ、ありがとうございますvそしていろいろ力尽きた作品ですいませんorzお待たせ致しました^^よろしければ貰ってやってください^^

100510/ミケ


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