7 | ナノ


「行こうぜ、陸!」

にっ、と笑った道哉が、陸の手を握って歩き出す。些か乱暴な手つきで、でも大切そうに陸の手をとった道哉に淡く微笑み返す陸。道哉に半ば引きずられるように連れ回されても、陸は幸せそうに笑むのだ。少し前まであんなに拒絶していた手を握り返す。二人のその姿は、半ば日常のものになりつつあった。

「道哉、」
「うん?どうした陸?」
「…ううん、…なんでも、ない」

ほわりと笑って首を横に振る陸に、首を傾げながらも笑い返す。陸の心を見事に射止めてみせた道哉は、陸と過ごす時間をとても大切にしていた。クラスどころか学年も違う二人、なんだかんだで長い時間をゆっくり過ごす機会は少ない。

道哉は長所でもあり短所でもある、持ち前の強引さで陸をリードする。道哉よりも陸の方が年上であるが、それでも道哉に振り回されるような、この関係を心地良く思っている陸がいた。

「今日はここでゆっくりしようぜ、な?」
「うん…」

暖かな日差しの中、道哉と陸は幸せな時間を満喫する。
柔らかな芝生の上に座り込んで、額を合わせるように顔を向き合わせて二人で笑いあって。

ふいに、陸の髪をすくった道哉の指先に陸が小さく肩をすくめる。さらりと指の隙間を通り抜ける陸の髪の毛に、道哉が腰を上げて小さく口付けた。

そのまま、至近距離にある耳にそっと言葉をささやく。



すきだ、

何回言ってもいい足りないそれを、確かめるように何度も。

すき、だいすき、あいしてる。



俺も、と陸が頷くまであとちょっと。


……………………
椛さま、リクエストありがとうございました!
そしてお久しぶりですv
相手が道哉な話しはとても新鮮でした!こんな感じでいいのでしょうか…?
ステキなリクありがとうございましたっ^^

100412/ミケ


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