4 | ナノ


「陸・・・?」
「しゅん、せんぱ、い」

地面に両手をつき、傍らに立つ峻を見上げる。自然と上目になった瞳はうすく水分の膜をはっており、いつもはかっちりと着ている制服もすこし崩れている。

「な、陸おまえ・・・っ!」

乱れた黒髪に、峻は激昂した。怒りに染まった峻の顔に、びくりと肩を揺らす陸。



「こんなところで無防備に寝ちゃだめっていったでしょっ!!」
「ご、・・・ごめんなさいっ」

ええと、どうやらたまたま中庭で昼寝していたところを峻に見つかったらしい。
飼い主に叱られるペットのように、しゅんと目を伏せる陸。地面に両手をついてたのは、峻に見つかって起き上がろうとしたから。目が潤んでるのは寝起きで欠伸したから。寝てたのだから制服と髪が乱れるのは当たり前。まあつまりそういうことで。
「ああ、もう。ほら髪に葉っぱついてる」
「・・・」
「ネクタイもちゃんとしなさい」
「・・・は、い」
「服装も整える。」
「・・・、」

陸の頭に手を伸ばして葉っぱを払う。てきぱきと指示を飛ばす峻に口答えする気もする暇もなく言うことを聞く陸。

「中庭で寝るのはいい。でも無防備にも一人で寝るなんて、この学園では自殺行為だってわかるだろ?」

こくり。

「こんどから寝たいときは、わたしに連絡すること」
「・・・?」
「わからないの、陸?」

溜息。苦笑を零した峻は、陸の頬をするりと撫でた。
高校生にもなって、こんな子供に対するような態度は間違っていると・・・わかっている。わかっているが、放っておけないなにかが陸にはあるのだ。前髪の隙間から覗く青い瞳が、幼さを滲ませてこちらを見つめている。それに苦笑をかえして、頬に撫でていた手を頭の上にスライドさせた。指どおりのいい髪を撫でて、いつものように不遜に笑って見せた。

ちゅ、

「っ・・・!?」
「、・・・寝てるお前に、こういう事をしようとするヤツもいるんだからね。」




守ってあげる、だなんて


目を白黒させて驚く陸に、ひどく幸せな気分になった。

……………………
依鈴さま、リクエストありがとうございました!
管理人の中で峻は怒ってでも笑って見守るタイプなので過保護ポジ難しい・・・!でも新鮮な峻をかけて楽しかったですvvステキなリクありがとうございました^^

100329/ミケ


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