2 | ナノ


「り、陸、飴やる」
「・・・?」
「甘いもの・・・スキだろ?」
「・・・、ありが、とう・・・」

やや目を伏せて、ぽつりと礼を零す陸が愛しかった。己よりも低い位置にある頭をみて、不意に手を伸ばす。艶やかな黒髪に触れたいと、無性に思ったから。

「・・・、っ」

しかし、伸ばした手はそれに触ることなく握り締められた。怯えるように小さく震えた陸に、触ることを戸惑われて。
・・・一抹の寂しさを感じる。幼なじみである麻埼のヤツは別として、例えば文化委員長のように、頭を撫でたり軽いスキンシップを行える関係を築いてこなかったのは己だから。「悲しい」なんて感情、持つ方がどうかしてる・・・、わかっているのに、。

見上げる青い瞳に誘われる。一歩でも良い、陸と近い関係になりたい。

「・・・、会長」

ふわり

「なき、そう・・・」


不意に、白い手が伸ばされて、それが己の頭に触れた。驚きすぎて動けない自分に、陸が少しだけ首を傾げる。
優しく撫でるように触るてのひらから、頭に伝わる体温。

じわじわと。

「陸、・・・」



伸ばした手は今度こそ、
その体温に触れて


……………………
楠さま、リクエストありがとうございました!
こ、心開いていく様って難しいですね・・・!←
なんか不完全燃焼な感じで申し訳ありませんorzでも楽しかったですv←

100326/ミケ


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