言わせる人に言わせれば所謂王道。幼等部から大学まで全て同じ敷地内に建つお金持ち学園。次代の社会を担う人物を養成する、名前だけでも充分なブランドになるそこ。
全寮制男子校である誉学園は、それはそれは腐女子腐男子なら垂涎物であろう"王道"そのまんまの学園であった。
全寮制女子高を姉妹校に持つそこは、ある山の奥深くにひっそりと建ち、外界との接触などほぼ不可能に近い。つまるところ周囲を見渡しても男男男の山。唯一異性と接触する機会といえば、年に一度だけある姉妹校とのダンスパーティのみ。だというのに相手は生粋のお嬢様なため、常に一人ひとりにボディガードがくっつき、・・・要するに恋愛関係に発展することなど砂粒以下の奇跡なのである。そのため自然と生まれた風習、同性愛。
誉学園には些か時代遅れな親衛隊と云われるものが存在し、見目麗しい生徒には熱狂的な信者がついていた。ここでファンといえず信者としか表現できない彼らの熱狂振りがすこし物悲しい。
そして親衛隊持ちの生徒の中でも、特に生徒会は生徒や教員など全員の投票で決まるため人気は恐ろしいほどであった。

近づけば陰口を叩かれ。親衛隊に排除され。
たちの悪いことに無駄にお金持ちが多いため大抵のことは金や権力でもみ消されるというありさま。

これだけ聞けばサイアクな学園でも、やはり住めば都。なんだかんだいって生徒会とお近づきになることなんて滅多にないし、普通に暮らしていれば安全安心しかも卒業すれば誉学園出身というブランドをゲットできる。生徒達に、ホンキでこの学園を嫌いなモノはいないわけで。

そんなこんなで、同性愛者とバイの巣窟誉学園の、人気中の人気者である生徒会。そこの書記、桂木陸がこの物語の主役である。まあ脇役主人公と呼ばれるものではあるけどね。




2010/03/04/


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