一周年記念企画

1 VAMPS RAVE


月がのぼり、ようやく頭の芯から眠気が吹っ飛ぶ。
オレってば元々夜型なんだけど、オレのかわいい恋人と同棲するようになってからは、更に夜型絶好調だ。

オレとこいつの関係は、ズバリ恋人。そして、VAMPとその餌でもある。
それで初めて会った時なんか、こいつパニックでボロボロ泣いてたんだけど。その泣き顔にヤられたっつーか、なんつーか。いや、泣き顔つーとなんか変態っぽいけど、子どもみたいに大声でわんわんと泣き、全身で悲しみを表現しているこいつのピュアなところにヤられた。

もうメロメロもいいとこ。一撃ノックアウトだ。
で、ソッコーお持ち帰り。今に至るってわけだ。

出会いはちょっとデンジャラスだったけど、今じゃ二人とも愛しあっているから、全てit all okってことで。

オレはいつものようにオレの腕枕ですやすやと眠りこけているオレのかわいい恋人を揺り起して目覚めの一発……では勿論ヤり足りないから、二発三発とブチかましてようやく少し落ち着いた。
起き上がってベッドに座っているオレの横で、くたりと体を投げ出しているこいつの頭を優しく撫でる。

さっきまでチョー愛しあっていたせいか、いつもは生っちろい肌色がほんのりピンクに染まり、酸素を求めてハフハフと荒い息をしていた。
汗で張りついている前髪を、後ろへ撫でつけるようにかき上げると、こいつのかわいいデコが全開になって、かわいい顔がますますかわいく見える。

かわいい…… こいつマジかわいい……

胸がキュンときたオレは、こいつのデコにちゅっとキスをする。こいつのあまりのかわいらしさに股間までキュンときたが、そこはグッとこらえた。なんてーの? オトナのヨユーってヤツ?

さっきまで散々喘がせていたからな。いくらオレ達が夜毎愛しあっているラブラブ☆Loversだとしても、少しは休憩させてやらないとな。
オレってほんと、恋人思い!

そうそう。オレってばこいつの食事管理もしているから、最近はユーキ野菜をメインにしてんだ。いわゆるロハスってヤツ?
前は男ならやっぱ肉っしょ! 肉! ってことで、ガッツリ肉食メニューだったんだけど、今はこうしてかわいい恋人もいることだし、肉だけじゃなく野菜も用意するようになったんだ。
だってこいつ、会ってからもずっと生っちろいし。ちょっとでも栄養つけてあげたいじゃん。

……って、ハッ! もしかしてその野菜がダメとか?
いくら体にいいからって、野菜はしょせん葉っぱだし? 栄養足りない感じ?
それにこいつ、見た目はぽややん草食系だけど、だからって別に食事は草食じゃないしな。

あーやっぱりガッツリ肉食メニューに戻すべきか?
こいつは生っちろいだけじゃなく、ほっせーし。特に腰。なんか抱いてるうちにポキッと折れそうでコエーんだよな。

さわり心地的にももうちょっと肉つかねーかなぁなんてことを考えていたら、呼吸が落ち着いたのか、オレのかわいい恋人がのそりと起き上がった。

「ん〜 汗でペタペタするよぅ。お風呂入りたい〜」

こいつは寝言の延長のようなゆるゆるテンションで呟きながらオレに抱きついて、胸元にぐりぐりと頬ずりをする。

こいつは元からかわいいけど、こんな風に素直に甘えられるとますますかわいくて、オレの股間のテンションもアガりそうになる。オレはそれでもかまわないけど、まずはこいつのオネダリをきかないとな。

「よし! じゃあフロにすっか」

「うん!」

こいつはにこっと笑うと、オレの向かって両手を広げた。“つれてって”のポーズだ。勿論オレは喜んでこいつをお姫様だっこする。するとこいつがオレの首に手を回すと同時に、オレの頬にちゅっちゅっなんてかわいいキスをするもんだから、こいつのかわいらしさにオレのハートや股間はまたキュンとした。

ヤヴェ。オレいつかこいつにキュン死にさせられるかも。いや! オレの死因はこいつと腹上死って決めてあるんだ。それ以外の死因はノーセンキューだぜ。

「ねぇ、お風呂はやく〜」

「おっとわりぃわりぃ。すぐフロにすっからな」

ヤヴェ。こいつのあまりのかわいさにトリップしてた。
オレは全開のままのこいつのデコにちゅっちゅっちゅっとキスの雨を降らしながら、風呂場へと向かう。と言ってもこんな狭いボロアパートじゃ、ベッドから数歩の距離だけどな。

オレのキスの雨に、こいつはキャッキャッと声をあげて子どもみたいに喜ぶ。しかも、
「あん、くすぐったいよぅ」
なんて言いつつ身をよじらせるが、隙あらばオレにもキスしようとしてきた。だからそんなかわいいことをされると、オレの股間直撃なんだってば。

そんな風にイチャイチャしながら風呂場へついたら、こいつがドアを開け閉め。
浴槽のフチにいったんこいつを座らせてから、シャワーの蛇口をひねる。ザッと汗やらナニやらを流してから、次は浴槽に湯を張る。次はお待ちかね、いつものお湯がたまる間の時間を利用して、こいつとイチャラブちゅっちゅっちゅっちゅっキスタイムだ。

先にオレが浴槽に入り、次にこいつをオレと向かい合うようにしてオレの腰を跨がせる。勿論こいつのほっせー腰をグッと抱きよせ、股間と股間を密着させた。
だってオレ達ラブラブ☆Loversだし? いつだって心も体も繋がってナイト!

シャワーを浴びたせいで、こいつのふわっふわのネコっ毛がぺしょりと頭に張りついている。髪を伝って雫が顔に落ちているから、オレはまた後ろへ撫でつけるようにこいつの前髪をかき上げる。

こいつは目を細めてオレのされるがままになっていて、マジかわいい。
正面からちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっとキスを落とし、
「濡れて体のちっさくなったネコみたいだな」
とオレが笑うと、こいつもオレの首に手を回したままにこっと笑った。

「僕の目の前には、水もしたたるいい男がいるよ」

「バーカ。水がしたたってなくても、オレはいい男なんだよ」

「ふふっ。ゴメン。そのとおりだね〜」

「お、笑ったな? オシオキだ。コノヤロ」

オレはこいつの脇腹をこちょこちょとくすぐってやる。するとこいつはキャーと歓声を上げながら、こちょこちょ攻撃から逃れようとオレの膝の上で身をよじらす。
=オレとこいつの密着した股間がグリグリとこすれあうわけで。たまりだしたお湯もちゃぷちゃぷ揺れ、興奮を煽る。

あげくふにふにとやわらかかったこいつの股間がだんだん芯を持ち始め、

「んあっ やん、だめぇ……」

なんてかわいい声を聞かされた日にゃあ、オレの股間ボルテージもMAXなわけで。
オレはこいつの後頭部を掴んで固定すると、一気にディープキスをブチかました。

「んっ…… んんっ……」

なんて鼻から抜ける甘い声をもらしながら、こいつはオレの腰に足を絡めてくる。
お湯と一緒にゆらゆら腰も揺らしている、なんて淫乱でかわいい恋人なんだ。ほんとオレ達って、ナニからナニまで相性ピッタリだよな!

かわいい恋人に煽られて、オレの股間もすっかり固くなる。
こいつとのキスを堪能してから顔を離すと、こいつの唇は赤くぽってりと腫れ、熱で目がとろんと潤んでいた。

そんなかわいい顔で「もっとぉ……」なんて腰を押しつけてくるから、オレはニヤリと笑いながら、こいつのお尻の穴に指が入るか入らないかギリギリの所を弄る。

「どっちを?」

「やぁぁん…… キスも、下も、りょうほう……」

「わかってるって! オレのかわいくて我が儘なhoney」

お湯の助けを借りて、まずは指をこいつのお尻にツプリと突き刺す。

「あぁ……」

白い首筋がさらされ、オレはそろりと舌を這わした。牙を突き立てるアノ時を思い出してか、こいつの体がビクビクと波を打つ。

そういやVAMPの“食事”って首筋からが基本だけど、首以外だとどんな感じだろう?
ふと思いついて、オレはこいつに聞いてみる。

「なぁ、今度は舌から“食事”してみねぇ? 上手にできたら、ご褒美ヤるからさ」

急なアイデアに、こいつは少し戸惑うような表情をする。
オレは抱いている時のように指をグッグッと抜き差ししてから動きを止めると、モノ足りないかのようにこいつは自分で腰を揺らした。

―――堕ちた。

オレはニヤリとほくそ笑むと、見せつけるように舌を尖らせた。

「な?」

「あ……」

思ったとおり、こいつの目はもうオレの舌に釘付けで、熱い吐息をもらす。

「ん。ご褒美ちょうだい?」

そしてにっこり笑うと、犬歯をググッと尖らせ、オレの舌に突き刺した。

「うっ」

「んんっ……」

噛まれた衝撃で、オレの股間がじわりと濡れる。多分……こいつも。
そして溢れてくる血を一滴ももらすまいと、自分の舌を絡め、くちゅくちゅとむしゃぶりつく。

一生懸命に“食事”をするこいつがかわいくて、オレは宣言どおり、こいつのかわいいお尻に股間を突き刺した。

「あぁぁっ」

その衝撃で、こいつはビクビクッと背中を反らす。さっきも愛しあったというのに、健気にまたギュッと締めつけてくる。舌が離れたのは少し寂しいけど、こいつってほんとかわいいよな。
それに首筋以外の“食事”もいつもみたいに気持ちイイと分かって、オレ的には満足だ。

「ハイ、上手に出来ました。たっぷりご褒美ヤるからな!」

オレはこいつのほっせー腰を掴むと、かわいいお尻を下からガンガン突き上げはじめた。

「あぁんっ あっあっあっ」

こいつを突き上げるたび、ためていたはずのお湯がバシャバシャとこぼれる。これじゃもうためてる意味ねぇやと思って、オレは手を伸ばして蛇口を閉めた。
浴室に湯気と二人の熱気が満ちていく。

そんな感じで、オレ達今夜も愛しあってまーす♪


―終わり―

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