息がつまって、真っ暗だ。

いやだ、くるしい、つらい、かなしい
いやだ、いやだ、いやだ、たすけて

境界の曖昧な感情が強く渦巻いてどろどろと停滞し、逆に体には何ら感覚がない、追ってゆっくりと指先から感覚が戻りながら、ああ眠りから覚めたのだと自覚する。呼吸が速い。なんとなく身体が冷たい。

幸い現実には何もせずにすんでいたらしい。臨也はとなりで何事もなくこちらに背を向けて静かに寝息をたてていた。よかった、起こさずにすんで。漠然と渦巻く気持ち悪さの中、それだけが温かく広がってゆく。

時々怖い。いや、いつでも怖い
人がいること、隣にいること。
柔らかい髪のおちるうなじ、規則正しく上下する背中。
無意識に手を伸ばそうとして、みるのだけれど、震えてしまって、できない。
臨也をずっとずっと遠くに感じた。
自分の中身が震えあがる。胃が痙攣するみたいですべて吐き出しそうになるので、唇を噛んでおく。

こわいいやだくるしいさみしいたすけて

そんなことを吐き出すわけにはいかない。
全部自分のせいなのに。

寝よう、もう一度。
そうしたらきっといつもの毎日が戻ってくる。
こののうざったい感情も全部きっと夜の光のなさがそうさせているに違いない。

俺も臨也に背を向けて目をつむる。
臨也が小さく何かをつぶやいたような気がしたが、おそらく気のせいだろう。
本格的に起こしてしまう前に、ぎゅっと体に力を込めてもろもろを封じ込めて、俺は眠りに入っていく。

きっと明日には、またいつもの日常がはじまるんだ。




(静ちゃんの、ばーか。)








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臨静ぽいかな…でも弱てる攻めが好きです
全部分かってる臨也さん、うすうす感づいている静雄さん、なのにどちらも踏み出せない、みたいな距離が好きです。
シズちゃんをちゃんと甘やかしたいなあ。






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