「わりぃ。」
「謝んないでよ。一々謝られると俺なんにもできなくなっちゃうって」
「…わりぃ。」
「ああもうはいはい。」

大きくて冷たい手が柔らかく頭を撫ぜてゆく。それだけで鈍く重たい頭の痛みが幾分和らいでゆくような気がした。
俺が体調を崩すのなんて日常茶飯事だ。どんなにそれが甘やかで優しいものであったってセックスした翌日は大抵こうやって、微熱が出たりする。
それをこの男は逐一気にするものだから堪らない。そんなことがどうでも良くなるくらい、昨日の甘やかなひとときを得ることが俺にとってどんなにか愛しいかをこの男は全然全く分かっていない。

「もう良いからさ、何か飲みたいな。」
「おお。何?」
「んー、お湯。」
「ただの白湯?」
「うん。」
「…分かった。」
向こうから聞こえてくる電気ケトルのたてる音。しばらくして、シズちゃんが持ってきてくれる、お気に入りのお揃いのマグカップから湯気がたつ。
それだけで頬が緩んでしまう。


「朝飯は?」
ドア口にたったシズちゃんが自分はコーヒーを啜りながら尋ねてくる。
「うーん、茶碗蒸し食べたい」 「えっ、…おい、無理だ」
一瞬本気で考えるように目を宙へ漂わせるシズちゃんは本当に可愛い。
「えー。」
「また夜な?」
「ちぇっまあいいや。」
夜にはつくってくれるのかな。本当に甘いんだから 。
「他は?何かないのか」
「うー、もういいよ。多分もう少し横になったら回復するから、さ、何か食べにいこうよ、美味しいもの。」
「…無理すんなよ?」
「大丈夫だって。それより、こっちきて。」
自分の隣をぽんぽん叩いてこちらに来るようにしめす。カップはサイドボードへ。
不思議そうな顔をしながらシズちゃんはちゃんと真横に腰かけてくれた。ん、シズちゃんの匂い。目の前の腰に抱きつく。
おわ、とか言いながらシズちゃんは俺の意図を汲んでくれたみたいで、また優しく頭を撫でてくれる。
「シズちゃん」
「ん?」
「呼んで」
「…、臨也」
「もう一回」
「臨也」
「もっと」
「臨也、      。」
「ふふ、俺も」

自分がほどけてゆくような錯覚を覚える。おまけまでついた要望以上の囁きに胸がいっぱいになってどうしようもなく幸せで俺はなんの苦もなく再び緩かに眠りにおちていった。




(愛のことばから始まる、甘やかな日曜日はまだこれから!)



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あなたたち誰ですか(^ω^)?
げろ甘さーせん!




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