しあわせにするよっていつか君が低くささやいて約束してくれた。だからすべてがキラキラしたままでここにありつづけるんだ。 「あったかいね」 「ああ」 「一時は寒すぎてどうなるかと思ったけど」 「ああ」 今日は久々の二人重なった休日だ。 高校生のころは会ったりデートしたりなんて当たり前に出来たのに、社会人になればそうもいかない。 寂しくないと言えばうそになるけど、こうしてたまの休日を一緒にまったり過ごせることは十分しあわせだ。 まだまだ時間はある。 これから死ぬまでずっと一緒にいるというのに毎日お祭り騒ぎじゃたまらない。こうやって無為に時間が過ぎてゆくのを二人で味わう日があったっていい。 「そろそろコーヒーも熱いね」 「ああ」 「スエットも暑いね」 「ああ」 「麦茶の季節かあ」 「ああ」 「シズちゃんさっきからああしか言ってないよ」 「ああ」 「…俺の話聞いてる?」 なんだこいつ、むっとして隣の顔をのぞく。 ちゅ ふいうちだ!おでこにキスされた! わざとらしくリップ音なんてたてやがって。当のシズちゃんは返事をしないままで、見ればクスクスいたずらに成功した子供みたいに笑ってるだけ。 からかわれたんだ! ばかって悪態つけば今度は鼻のあたまにキスされる。 ああもう、こんな何でもないことなのに、好き好き好き好きシズちゃんが好き! 仕事じゃない日はもちろんシズちゃんだってバーテン服を脱ぐ。おれは未だにスエットのままだけど、さっきコンビニまで朝ごはんを買いに行ってくれたシズちゃんはシンプルな黒いTシャツにジーンズ姿だ。俺だけが知っているシズちゃん。Tシャツがいつもの俺とちょっとおそろいみたい、とか思ってみたり。 シズちゃんのお家のベランダはお世辞にも広くないけれど陽当たりがとっても良くて二人でくっついて並ぶ分にはちょうどいい。 「シズちゃん」 「ん?」 「何でもないよ」 「ふーん」 あ、まただ。いっぱいのキスが降ってくる。 ここでなら夜の空の星みたいに数えきれないたくさんのしあわせがキラキラと輝いてこの目で見ることができるような気さえするんだ。 (永久契約の特等席 =君のとなり!) ------- 管理人はいいかげん夢を見すぎですね(^ω^) これで実は臨也が虚弱とかだと美味しい(重症 |