最近昼休みに屋上に来ることが多くなった。「あ、またいたの」屋上の扉を開けると、いつも亮がいる。「何だ。いちゃわりぃのかよ」「そんな事言ってないでしょ」亮の隣に座って空を眺める。今日は天気も良くて風も気持ち良い。「何か寝ちゃいそうだC〜」「ジローの真似すんな」亮が小さく笑う。付き合う前も、付き合ってからもこの表情が私は一番好きだ。「亮、」「何だ?」「好き」「なっ...」嘘、やっぱりこうやって真っ赤になる顔の方が好きかも。本当に、好きで好きで仕方ない。「ふふ、顔真っ赤だよ」「う、うるせぇっ!こ、これはお前がすすす好きとか言うから」「でも亮から告白してきたじゃん」「やめろ!」私は笑って亮の背後に回って、その背中に寄り掛かった。「...どうしたんだ?」「別に?こうしてみたかっただけ」頭上を一羽の鳥が舞って校庭の方へ飛んで行った。校庭では何人かの男子生徒がサッカーをして遊んでいる。あ、あの赤い頭はがっくんかな?「がっくん、サッカーなのに飛んでるよ」「ったく、激ダサだな」「あれで今日の部活バテたらウケるね」「ホントだな」亮が笑うたびに背中が揺れる。「つかよ、凪沙」「ん?」「いつまでこうしてんだ?」背中越しに亮の不満そうな声が聞こえる。「何で?嫌なの?」「嫌ってわけじゃねぇけど...」何だか歯切れが悪い。「たまにはいいでしょ?こういうのも。私好きだよ、亮の背中も」「...あっそ」肩越しに振り返ると、亮の耳が真っ赤になっていた。かわいいなあ、もう。ふと手に温もりを感じて自分の手を見ると、亮の手が重ねられていた。「なあ......顔が、見てぇんだけど...」驚いて亮を見ると顔を真っ赤にしたままじっと私を見つめていた。「りょ、う...」ゆっくりと顔が近づけられる。重なっていた手はいつの間にか絡められていた。唇がそっと触れた。「凪沙、好きだ」「うん、私も」額を合わせて笑う。屋上にチャイムが鳴り響いた。



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