強くなりたいと思う度に
「強くならなくていい」と言う。
怪我する度に
「無理しなくていい」と言う。
泣いちゃダメだと思う度に
「泣いていい」と言う。
軽々しくそんな事言わないでよ、と
強く当たる私の腕を
壊れ物を扱うように優しく取る
その大きな手によって
仕舞いには身体ごと
その長い腕に包まれる。
離して、そう足掻く私の頭に手を乗せ
「離さねえよ」といつもより
ワントーン低い声で腕に力を入れる。
天邪鬼、と反発すれば
「褒め言葉だろ?」と悪戯に笑う。
嫌い、と嘘をつけば
「俺は愛してる」と耳元で囁く。
本当の天邪鬼はどっちだろうか、
そんな事思いながら今日もこうして
私は貴方へ堕ちて行く。
「私のほうが愛してる。」
誠にありがとうございます
トップへ戻る
×