2 | ナノ
 



あっという間に俺の机に置かれたチョコの山が無くなった。
甘いのならいくらでも食えるしどのチョコも美味かったから瞬殺だ。
もう少しで朝礼が始まるなぁと思ってたらまた箱が目の前に置かれた。
獅希が箱を開けて中からガトーショコラが出てきた。
すっげぇ美味そう…!
これ、どこの店のだ?

「俺の手作り」

「え?これ、獅希が作ったのか?」

獅希の言葉に驚いてガトーショコラと交互に見つめる。
いや、獅希ならこれぐらい作るの朝飯前だから納得してんだけどわざわざ俺に渡す為に作ってくれたのか?

「そこら辺の店で買うより自分で作った方がお前好みのが作れるからな。ガトーショコラ好きだろ」

「お、おう。ありがとうな」

確かにガトーショコラがチョコでは1番好きだけど…知ってたのか。
しかもわざわざ作ってくれたなんて凄ぇ嬉しい。
獅希の言う通り、こいつ程俺好みのもんを作れるのは他には母さんぐらいしか居ねぇし。
素直に嬉しい。
ガトーショコラに添えられてたフォークを手に取って口に運ぶ。
やっぱり美味ぇ。

「獅希、凄ぇ美味い!有り難うな」

「気にすんな。甘いもん好きなお前の為にあるようなもんだろ、今日は」

それは違うと思うぞ。
今日は好きな奴にチョコを渡す日だろ。だからお前はこんなにチョコを貰ってんだろ。
しかも何か照れ臭ぇ事言うし。
俺の為の日なんて無いから。

「部屋にまだ残りがあるから放課後取りに来いよ」

「おう!本当に有り難うな。ちゃんとお礼用意すっからな」

完食して笑いながら言ったら珍しく獅希も笑ってる。
笑うっつーより微笑んでる。
貴重な獅希の微笑みに顔赤くしてる奴まで居るぐらいだ。
俺でも獅希の微笑みは滅多に見れねぇからちょっと見とれてしまう。
やっぱり顔が良い奴は得だよな。

食べ終わった片付けを終えた頃に丁度チャイムが鳴って担任が入ってきた。
俺達がチョコを食ってたから教室の中が甘い匂いがする。
ちょっと幸せだ。
獅希にやるお礼は何にしようか。
今日一日そんな事を考えながら授業を受けた。








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