折紙+砂
※大学生パロ



ちょっと早めに来て、ガラガラな場で後ろの机の窓際に座る。
適当にノートを出して、耳にはイヤホンを引っ掛ける。流行りものにアニソン、演歌や洋楽。ズラリと並んだ音楽を適当に選んで顔を机に伏せた。
いつも適当に落として聞いて気に入らないと消してを繰り返すが、今回は意外にも当たりだったようだ。
ゆっくりした曲を聞き、どんな人が歌っているのか、とか、どんな気持ちなんだろう、とか、考えても分からない事を考えてケータイを鞄から引き出す。
今流行りのアイフォーンとか、そんな物じゃなくてケータイらしいケータイ。普通にパカパカ開いたり閉じたり出来る、特徴と言えば淡い紫色の花のストラップが付いてるぐらいだ。
ぱか、と開いて来ていたメールをさっさと見る。チェンメに怪しげな広告の中に親友や仲間のメールをチェックする。
たまに埋もれて分からなくなるから小まめに見ているのだが、埋もれてしまう。
そんな自分に苦笑しながら有り難いメールを見付けた。

「今日は牛角でアントニオさんの奢り、か。やった」

虎徹さんやカリーナちゃんから送られてきた所を見ると、多分二人から押し切られたんだろう。
それより、ダイエット中じゃなかったのかなカリーナちゃん。
大丈夫かな、と眉を寄せてメールに返信を打ち込んだ。

「うーん、今日は天気良いなぁ。サボりたいなぁ…」
「じゃあイワンの奢りでカフェ行くか!」
「殴るよエドワード」
「冗談だっての」

イヤホンを引っこ抜いて隣に座るエドワードを見れば、苦笑して俺を見ていた。
相変わらずのその姿にフッと軽く笑えば馬鹿にしたなと髪をぐしゃぐしゃに撫で回された。

「ちょ、止めてよ」
「だって、イワンちゃんがこんなにぐれるだなんて…っ!」
「君は僕の母親か。こんな母親ならぐれる所か自殺を考えるね!」
「ねぇ、さっきからイワンが毒舌過ぎて心臓がブロークンハート」
「…君、英語圏なのに、ね…。頭が頭痛なの?」
「ツッコんで?!そんな同情も心の距離もいらないから!」

もう良いと本格的に心臓がブロークンハートしてきたエドワードの肩にポンと手を置く。
期待に目を輝かせたエドワードに僕は最高の笑顔を作り、

「腰が腰痛?」
「勘弁してください!」

机に突っ伏して泣き出したエドワードにくすくすと笑いながら背中を叩く。

「カフェでパスタ食べたいな」
「あ、奢れって事ね。俺人間不信になりそう。しかも昼飯がOLっぽい」
「え?クナイで眉間貫いて欲しいって?」
「全く違う!?しかも死ぬ!!」

ぎゃーと騒いで眉間を押さえるエドワードにケタケタ笑いながら荷物を手早く纏めて立ち上がる。ちょっと前から来ていた教授が出席を取ったのを確認し、急いで入って来た人と入れ違いに外に出る。
今日は奢られてばかりだ。
くす、と笑い、カフェに向かうと、慌ただしい足音が僕に向かっているのが聞こえた。




口先上手の笑い声




___
イワンが一枚上手とか。
エドワードと仲良くしてて欲しい。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -