折紙



意識がゆらよらと浮上したり沈んだり、とにかく忙しなく動く。ついには周りの音が聞こえているのに眠っている半覚醒。
どうにもこうにも自然と目を覚ます事をしてくれない脳を無理矢理たたき起こす。目を開けて、勢いを付けて起き上がる。

「あ、もう七時」

布団の近くに置いた時計を見て、いつもより起きるのが遅いのを確認した。
まあとりあえず、とキッチンに向かう。流石にキッチンまでは日本風にしなかった。
冷蔵庫を開けばヒンヤリした空気が感じられ、少しだけ意識がハッキリした。
卵と昨日の晩御飯の残りを出して、つい足で閉めてしまった。よく足癖が悪いと叱られるのも無理ない。
晩御飯の残りをレンジにいれ、卵はボウルに割って入れた。卵焼きを焼く用の四角いフライパン(名前はわからない)を出して、卵をといてダシを入れておく。ご飯を今から炊くのは無理だから残っていた冷凍したご飯をレンジの上に置く。
キッチンから離れて洗面所に向かい、洗濯物を洗濯機にほうり込んで顔を洗う。
顔を洗い終わり、キッチンに向かえば、タイミング良くレンジの電子音が聞こえた。中の残り物を取り出し、冷凍ご飯を入れてまた温め。その間に卵焼きをちゃっちゃと作ってしまい、昨日の味噌汁を温めて机に置いた。
席について手を合わせる。いただきますは良い言葉だ。

「本屋行って、お給料入ってるか見て、昼は外でいっか。その後どうしようかなぁ…」

いつもならトレーニングルームにでも行こうと思うが、今は何だか雰囲気が鬱々としていて行く気が削がれてしまう。恋愛に悩み。そんな物が辺りにモアモアと纏わり付いているのだ。
最近のタイガーとスカイハイを思い浮かべて、溜め息。

「全体的に悪い予感しかしない」

例えるなら、ま〇マギの最終回一歩手前のような。
トレーニングルームの雰囲気が移ったのか、モアモアした物を胸に抱え、窓を開けた。ふわ、と一瞬風が吹いただけで、その後はまったく吹いてこない無風状態。
広々と、深く広がる真っ青な近い空に手を伸ばす。そのままドーム型の空にペたりと手が付く気がして、また伸ばす。
当たり前だが手には何も触れず、夏のムシムシする熱気が感じられただけだった。




嵐が前でも人が静かとは限らずに




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鬱展開かな。とか思いながら書いた折紙。
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