おかえり

 


アランの脚は、廊下をずんずんと進み、次第にそのペースは速まっていく。



窓から差し込む夕陽の力強いオレンジ色が夕刻を告げる中、アランは真っ直ぐにアンの部屋を目指した。












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―コンコン。



アンの部屋の前まで来たアランは、ノックをすると返事も待たずに扉を開ける。







「ア、アラン…!?」







アンが驚いたのも束の間、その表情はすぐに嬉しそうにふにゃりと笑う。

アランは、そんなアンを目にした途端、胸がきゅうっと締めつけられて、気がつけばアンの腕を引き、抱きすくめていた。









「アラン…?」








「………………」









アンがアランの名前を呼べば、抱きしめる腕はさらに強くなった。









「……会いたかったよ、アラン」









何も言わない不器用なアランの気持ちを悟ってか、アンもアランの背中に腕を回して抱きしめ返した。








「もう、アラン…苦しいよ」








アランの腕の中で、アンがくすくすと笑う。








「…お前のそばに帰ってこれたんだって、ちゃんと感じさせて」







「うん。おかえり、アラン」









アンが、微笑みながらさらにぎゅうっと抱きしめ返す。









「もっと」







「うん」







「もっと」







「こう…?」







「もっと。全然足りない」










アランはアンを抱きしめたまま、くるりと向きを変え、二人の立ち位置が入れ替わる。

アンの指に指を絡ませて両腕を広げさせ、押しつけるように扉に縫い止めた。

休む間もなく、性急に唇を奪う。








「…ん……、…っ」








狙い澄ましたように入り込んで縦横無尽に動き回るアランの舌が、アンの思考を一瞬にして奪い去り、理性を崩していく。

いつしかアンの身体からは力が抜け落ち、アランに縫い止められた腕と、膝を割られて滑り込んできたアランの脚に支えられている状態だった。



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