こいをするということ
まるで自分が自分でなくなってしまうようで
あなた以外のすべてが、どうでもよくなってしまう気がして
それなのに、
もっと、もっと
と、身体が求める
快楽から逃げられない自分が情けなくて
でも心地良くて
ああ、この人には肩の力を抜いてもいいんだ、と再認識させられる
好きでいいんだ
安心していいんだ、と再確認する
深く息を吸って、
白いためいきを、ひとつ
冷えた11月の星空に、
離れて歩く人影が、ふたつ
さわりたくて
さわれなくて
それでもきれいな横顔からは目が離せなくて
整えられた髪を軽く弄ぶ仕草や、その大きな瞳の瞬きさえ、吸い寄せられる引力になる
冷えたその手に伸びた指は、あなたには届かなかった
(触れてしまえば、すぐに崩れてしまうから)
2010/11/17
←