ハリネズミ | ナノ
(100%ギャグ)
(会話文)

「せ、セレナさんと」
「紫雲院菟雨の」
「せれ菟雨三分クッキング」「せ、せれ菟雨さんぷんくっきんぐ……!」

「とは何だ」
「わ、分からないです…。…お料理するのかな……」
「……なんだあれは」
「カンペ……?」
(料理を始めてください)
「バレット貴様、こんなところで何をしている!」
「で、デュエルディスク構えないでください、落ち着いてくださいセレナさん!」
「大体、料理をするも何も……」
「あ、食材沢山ある……」
「菟雨、何をしている!?」
「ひっ!ご、ごめんなさい、お料理した方がいいのかなって……」
「料理、できるのか?」
「いえ、全く……」
「……」
「……」
(……)
「バレット、この空気を何とかしろ」
(無理です)


「き、気を取り直してお料理を……」
「食材は何があるんだ?」
「にんじん、たまねぎ、じゃがいも……に、カレーのルー……?」
「カレーを作れと言っているようなものではないか」
「でもお米が…」
「それは用意しない向こうが悪い」
「え、で、でも」
「作るぞ。時間を無駄にはできん」
「は、はい……」
「三分で作る」
「無理だと思います……」

「そういえばセレナさんって、お料理をしたことは……」
「なんだこれは、土まみれではないか。洗剤で洗えば落ち……」
「セレナさん!!!?」

「お、お野菜は洗いましたから……洗いましたから大丈夫です……!」
「しかしまだ」
「大丈夫です、皮を剥けば大丈夫です……!」
「そ、そうか……。ならば早く皮を剥くぞ」
「は、はい。……あれ、ここに置いておいた包丁…」
「皮を…こうか」
「セレナさん駄目です、それは!それは皮を剥く方法じゃありません!!」
「む、まな板に置いて削いで行けば良いのでは…」
「よくないです、皮剥き機を使ってください……!」
「わ、分かった」

「ぶ、無事に皮は剥けましたね……」
「ああ」
「それじゃあ次は、食べやすい大きさに切……、るのはわたしがやりますので…」
「なんだ、私には手伝わせてくれないのか」
「危ないんです……!いろんな意味で…」

「菟雨、準備はできたぞ」
「あ、ありがとうございます…」
「で、次は何をするんだ」
「えっと……」
(野菜を炒めて煮込んでください)
「炒めて……」
「こうか」
「セレナさん!!?」
「なんだ、食材を全て入れれば良いのではないのか」
「玉ねぎが焦げちゃいます……!」
「飴色に炒めたたまねぎはルーにコクを与えるものだ」
「飴色を通り越して真っ黒焦げになっちゃいます……」

「菟雨、もう良いか?」
「もう少し待ってください……」
「……」
「……」
「……もう良いか?」
「もう少しです…」
「……もう、」
「はい、どうぞ」
「よし、水を入れるぞ!」
「あとはルーを入れて煮込めば完成ですね……!」
「……」
「どうかしましたか…?」
「これを三分でやる猛者が…」
「いないと思います」

「……ところでバレット、これで終わりか?」
「はい、大丈夫です。菟雨さん、巻き込んでしまい申し訳ございませんでした」
「い、いえ、わたしは……」
「それにしてもなんの為にこんな事を……」
「アカデミア内で密かに行われている女子力チェックの一環だそうです」
「なんだそれは」
「以下にカレーを手際よく美味しく作れるか、が料理の判断基準だそうです」
「…アカデミアって暇なのかな……」
「情けないことに否定材料が足りません」
「 それよりバレット、私のじょしりょくとやらはいくつなんだ」
「100点満点中6点だそうです」
「……」
「菟雨さんは51点だそうです、及第点ですね」
「あ……、あの、セレナさん」
「……バレット、調理室と材料の手配をしろ」
「セレナ様」
「もう一度試験だ!こんな結果戦士として恥以外の何物でもない!」
「…戦士に女子力は必要なのかな……」


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