||| 祠堂くんを追いかける
「祠堂くん」
そう言って微笑む君の事が僕は何よりも嫌いだった。
作り固めたような曖昧な笑顔も、入力されたプログラムのような仕草もなにもかもが、嫌いなんですし。
君は美しすぎた、その反面硝子のように脆すぎる。少し触れただけだというのに、その曖昧な笑顔を自ら壊してしまうから。
君は美しすぎた。美しすぎたからか、僕はどうも貴方のことが好きになれないんですし。
彼の方の指令を受けて、遠くこの地に逃げた筈なのにそれでも君は僕を手放そうとしなかった。
君の執着心は何処から来る?そんな事を問いても答えは帰ってこない。君は愚かだから、自分の事を何一つ知らないから言葉を返せないんですし。
「祠堂くん」
君の微笑みは毒でしかない。何時も僕を破壊しようとする。
この神に近い存在の物たちですら僕を助けてはくれない。僕は何から解放されるべきなんだ?それとも僕は囚われたままでいるべきなのだろうか。
必死に考えても何一つ分からない。僕は何処で道を誤ったんですし?
君はいつからそこに居る。君はどうして僕の前から消えてくれない。その曖昧な笑みをやめてほしいんですし。
君の事が何一つわからない、君の言葉さえも理解が出来ないから。
「 」
君の言葉が分からない、君は一体何者なんですか。
僕を苦しませるだけならもう二度と現れないでください。僕の事が嫌いならばもっと直接傷付ければ良いというのに。
僕は君を知らないんですし。君の存在も、君の声も、君の言葉も君の居る意味も何もかも。
君は一体何なんです、何が目的なんですし。
君はいつからそこに居る?君はーー
「私を殺したくせに、逃げるなんて許さない」
ーー君はいつから?
≫
back to top