text | ナノ
 ||| ノボルくんと犬


「す、すきな子には意地悪するって言うじゃないですか」
「…? おう」
「だからそのノボルくん私に飽きたのかなって」
「……なんでそうなったんだよ」


一世一代の告白を鼻で笑われそのままお付き合いすることになった、一部では相棒学園一の謎カップルと呼ばれる二人がここに居ました。ええ、私とノボルくんのことてす。
ぱちりと大きく目を瞬かせて、頭を抱えるノボルくんを見つめます。なんでそんな困った顔してるんでしょう、よくわかりません。
ノボルくんに意地悪されると相談したのはまだ新しい記憶、友人である牙王くんに「ノボルは分かりにくい奴だけどな、あれもあいつのコミュニケーションってやつなんだぜ!」という有難いお言葉を頂き、それを真に受け現在に至る。あれ、このお話ししたのいつでしたっけ。
とにかく、今まで散々鼻で笑われたりからかわれたりしてきた分ここ最近のノボルくんが怖くて仕方がないのです。
忘れ物した時に貸してくれたり、飴玉をくれたり、エトセトラ。少し前までは散々だったのに突然のこの変わりようで不安で仕方がなかったりするのでした、まる。
からかわれたり散々だったけど、それも悪くないなって自覚し始めたのだから余計に不安感が大きいのも事実てす。こういうのをマゾヒストって言うんでしょうか、でもノボルくんになら何されてもいい気がします。あれ、わたし犬みたい。

「わ、私犬にならなれますよ!」
「何がどうしたらそうなんだよお前本当に馬鹿だな!!」
「馬鹿でもいいてす捨てないで!」
「捨て…いや別にそういうのじゃなくて」
「だって意地悪しないってことはあれでしょう!?飽きたってことですよね、コミュニケーションとるのが面倒ってことですよね!」
「いやお前それ間違ってるだろ!?」

「こんな扱いも悪くないって思ったのに酷いです!」
「意地悪しすぎは嫌われるとか言われたからちょっと控えただけなのになんでこうなるんだよ…!」


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