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 ||| ガロウズとお茶会


(落ちない)

「お前は本当に可愛らしいわ」
「ナマエ、それは孫六に言ってやるげ」
「いやよ、あの子可愛くないもの」

微笑んでそう告げるわたしに、隣の孫六はこの世の終わりのような表情を浮かべて座り込んでいた。この子はなんて面白いんだろう、やっぱりお馬鹿な子は遊ぶに限る。
「ナマエ様…どうして……どうしてですし……」
馬鹿だなあ、冗談に決まってるのに。お前は本当に可愛いよ。お前たち二人は、わたしの為に存在するのだから。
声を上げて笑う、SD化していないガロウズへとわたしはゆっくり笑みを向ける。ああ、なんて禍々しい姿なんだろう。ダークネスドラゴンWの住民は、皆揃って本当に美しい姿をしている。
禍々しさと美しさを兼ね備えた絶対的な存在。他のWには存在しない狂気と力を兼ね備えた、戦う為に存在するこの世の隣人だ。

「ガロウズ、お前は本当に美しいわね。どうして私のバディでないのかしら」
「ああ、いっそナマエとバディを契約しなおすげ!」
「それもいいわね」
「え、まっ……ナマエ様、そんなあ!」
「お馬鹿さんね、冗談よ」
「げしゃしゃしゃ!冗談げ。半分はな」

残りの半分は!?などという孫六の叫びを聞き流しつつ、私は彼の淹れた紅茶へと口を付ける。私の好きな茶葉に淹れ方、砂糖も適量。あの子は本当に私の事をよくわかっているようだ。流石私の従者なだけある。
足を組み直し、ボーンチャイナのティーカップをソーサーに戻せば、孫六の生唾を飲み込む様子がよく目に入り込む。感想を待っているのだろう。悪くなかった、けれど、素直に褒めるのも面白くない。
……そうだ、なあ。

「ガロウズ」
「げ?」
「お前、これ飲んでいいわよ」
「ナマエ様!?」

驚きで裏返った声を上げる孫六に、私は、思わず口を塞ぐ。ここで笑ってはいけない、もう少し遊んでやらねば。
わたしの思惑を理解したガロウズは、とても良い笑みを浮かべてわたしのティーカップへと口を付ける。ああ、そういえばこういうの間接キスって言うんだったかしら。態々わたしの口をつけた場所に重ねるなんて、この子も中々面白いことをしてくれる。
「そんな……僕の淹れたお紅茶が……」
お紅茶って。お前。
「あー、ほんと…孫六お前面白すぎるげ……」
「お前は本当に馬鹿な子ねえ」


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