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 ||| クロノくんと生理痛


(おちない)

痛い痛いと叫び続ける姉ちゃんの背中を、俺はただ摩り続ける。
こんなので効果あるのかは知らないけど、本人がそうしろって言うならそれが一番なんだろう。
合法的に姉ちゃんの身体に触れるなら、俺的にも大歓迎だし異存はない。本人には言わないけど。
生理、所謂女の子の日ってやつは姉ちゃん的に相当痛いらしい。いつか本で読んだことあるけど、子宮壁?が剥がれるんだったか、そりゃ痛えよな。
真正面から俺に抱きつく姉ちゃんは、生理の痛みのせいか先ほどから一切動かない。返事はある、まるでしかばねのようだ。

「姉ちゃん」
「うん」
「いつまでこうしてんだよ」
「生理終わるまで…」
「思春期の男の前で生理とかいう単語ストレートに出すか普通」
「いたい」
「だろうな」
「いたい」

涙ぐんだ声でそう呟く姉ちゃんに、俺は少しだけ溜息をついた。
別に、悪いのは姉ちゃんじゃないからこうされるのは構わない。けれど、こう、抱きつかれた体制で痛いとか言われると…まあ、男としてそういう事情をイメージしないほうがおかしいだろう。
完全に胸当たってるし、足なんか開かれ俺の後ろに回って…なんていうんだ、だいしゅきホールド?そうそれ。

「いたいの」
「分かった」
「なんで女の子ばっかなの、意味わかんない」
「仕方ねえだろ、子供産むんだから」
「いらない、子宮クロノにあげる」
「いらねーよ!つーか無理だろ!」
「いたいのおおお!」

そう言って姉ちゃんは抱きしめる力を強めた。痛くはないが胸が当たって俺の焦りが色々まずい。


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