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観覧車


あぁ、もうすぐで一周してしまう。この観覧車が一周してしまえば彼女とはしばらく会えなくなる。
数日前。急に引っ越しをする、そう告げられ慌てた僕は最後の想い出作りだと彼女を遊園地に誘った。そして最後のアトラクションである観覧車。
あと数分。あと数分で終わりだ。
きっと彼女にとってはこんな僕との想い出なんて大したものではないかもしれないけれど。僕にとってこの想い出は宝物のように大事なものでこの先一生忘れない。忘れたくない。
彼女が僕にとって初恋の相手だから。この恋がもう実ることはないけれど、未練がましいかもしれないけれど、この1日を僕は忘れない。
でも叶うのなら。
───観覧車、いつまでも回っていればいいのに。




……あとがき……
栗木京子さんの短歌である、「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」のイメージで書いたやつ。


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