雪、空の嵐に窘められる

何やら誰かに吹き込まれたらしい雪姫
ちょっと口調捏造中












「きゅ、」
「うん?」
「きゅーだいめー?」

のんびりのほほん舌っ足らずなその言葉に、さぁっと青ざめた。
今、今なんて………?

「姫(ひぃ)。それは誰から言われた?」
「ランちゃんのパーパ」
「あぁ、嵐だが。………その九代目の呼び名は、誰から言うように言われた?」
「しらない人」

ぽつ、と呟いた姫の頭を撫でてショックのあまり動かなくなった九代目の回りに守護者を集める。
その際、九代目の膝に姫を乗せることを忘れずに。

「嬢、誰に何を言われたんだ?」
「んと、えと、」
「『九代目を気安く名で呼ぶとは何事だ。幼児と言えど許されないぞ。ちゃんと九代目と呼びなさい』」
「………ザンザス様、」

ドアに背を預けるザンザス様はその赤い瞳を鋭くしたまま姫を見る。
姫は固まってしまった九代目の頬をぺちぺちと叩いていた。

「きゅーだいめー?」
「姫、今まで通りに呼べば復活する」
「ティモー?」
「っ………。私の可愛い雪が………!」

汚される、と呟きながら膝の上の姫をぎゅぎゅぎゅー、と抱き締める九代目に安堵のため息を吐いて、ブラバンダーを見れば、彼は静かにこくりと頷いた。

「ランちゃんのパーパ」
「ん?」
「ざんざすさんも『ざんざすさん』でいーの?」
「当たり前だ」

答えた───応えたのは当然ザンザス様で、姫はふにゃりと笑った。

「姫、これからは九代目と我々以外の言葉は聞かなくていい」
「えー?」

毎度九代目にしょげられたら困る。
首を傾げながらも大人しく九代目に抱き止められていた姫に、そっと笑みを作った。

この幼い雪の姫には、誰もが甘くなるらしい。












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コヨーテさんで。
主人公の存在を知らない人がぐちぐちと主人公を怒った模様。
ちなみにザンザスさんはその場面を見ていて相手をすでにぼっこぼこにしてあります。



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