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文化祭が終わりリング交換式の時の写真が貼り出された
柿木園豹とは付き合えても和泉千隼と付き合えることはまずないといわれるほど堅い男だったのでイベントでリング交換したことにショックをうける女子が多かった



「これはどーゆーうことだよ!?いつの間にこんな仲になってたんですか!お父サンに説明しなさい!」
「誰が父親だよ」
『パパ、ウザイ』
「でもリング交換したってことはふたりは付き合うってことだよね。みずくさいないってくれればよかったのに…」
「違うの、あのね」
「一言言ってもいいかな。千隼はなに考えてるかわからないし無愛想で私たちの久実と付き合うなんて100年早いわこの小僧って思うけど、久実を全力で大切にしてくれる男だよ。おめでとう」
『おめでとう、久実』


久実はニコっと笑って何か呟いた
だが、次の瞬間うつむくように固まった

『久実?』
「うるせー悪かったな無愛想で。全力でこのクマ女大切にすりゃ文句ねーだろ。来い、クマ女」

千隼くんは久実の手をとって階段を上がっていった


そう、きっと大切にしてくれるよ、久実

悲しいような嬉しいような表情で見てたとこを竜生くんに見られていたことを私は知らなかった



後日、ラブラブ証明写真が貼られた
千隼くんと久実の写真も、もちろん貼ってあった
「あんなの見せつけられたら、もう千隼くん諦めるしかないね」と話してる子たちがいた

『本当だね、諦めるしか、ないね…』

その写真をみつめ、小さく呟いた

「真希チャン」
『竜生くん?』
「今日、放課後あいてる?」
『え?うん。どうしたの?』
「文化祭準備の時、真希チャンが助けたうちの園児が真希チャンに会いたいんだって。だから今日空いてるならどうかなって…」
『うん、是非!放課後、伺わせてもらうね』

じゃ後でと竜生くんは去っていった
ここにいつまでもいるのも、と思い今日にいくとカンナが近寄ってきた


その日、久実は風邪でお休みで一緒に久実のお見舞いにいかない?というお誘いだった

『ごめん、今日は先約があって、無理そう』
「そっか、しょうがないわね。」
『久実にお大事にって伝えてくれる?』
「…わかった。…真希!」
『ん?』
「最近、よくそんな顔してる。何かあるならいつでも聞くから、言いなさいよ?」
『え?うん。』

カンナはそれだけいうと席に戻っていった

そんな顔って…どんな顔してただろうか
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