07
「あそこにねクマをつけたいの!」

久実はアーチのてっぺんを指した
そこはあきらかに届かないところだった

『脚立かなにか借りてくるね?ちょつとまってて!』

久実をその場で待たせ脚立を借りるべく歩き出した


『脚立…脚立…』
「真希チャン?」

振り向くと脚立を持った竜生くんがいた

『脚立!竜生くん!それを貸してくれないかな?』
「大丈夫だよ。この脚立を持って行く先はキミたちのところだから」

竜生くんの後ろから出てきたのは千隼くんと…

『柿木園豹…』
「ごめんね、手伝うのが遅くなって。」
『それをいう相手は私じゃないよね?』
「そうだね」
『久美待たせてるの、早くお願いできる?』

私たちはみんなで久実の待ってるアーチへ向かった

すると見えたのは久実が女子に突き飛ばされそうになっているところだった

「豹、くん?」
「ごめん、遅くなって」
「熊倉サン、真希チャン今度は大きく作れてるけど、これ3秒でこわれちゃうよ」
「文化祭中止にするき?」
『図工は苦手なの…』
「いや、これ図工と一緒にしないで」
『千隼くんって意外に意地悪だよね?』
「金づちかして」
『え?なんで?』

私の持っていた金づちを取るとアーチを直し始める2人

「竜生くんも千隼くんも、これはA組の委員の私の仕事なので…」
「なんで?クラス違ったら友達の手伝いしちゃいけねーの?」
「豹くの…」
「違うよ、熊倉サンだよ」

久実は驚いたような、泣きそうな顔になっていた
それをみた私はくすっと笑みがもれた

「あ、勿論真希チャンも友達だからね!」
『すごくついでみたいないいかた…』
「いや、そーゆーわけでわ!」
『ふふ、嘘。ありがとう!』


作業をしていると衣装担当女子から柿木園豹を寄越す的な会話が聞こえてきた

『久実、「悪いけど、キューちゃんが一番だから」

なんだろ…すごい発言聞いた気がする
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