ある日のこと
竜生くん、千隼くん、久実と一緒に話していた放課後の話

「そういえば名前チャンはスクールリングって持ってるの?」

いきなり食い入るように竜生くんが問いかけてきた

『うん。一応買ってみた。で、家に放置してあったよ。』
「ずっと持ってたの?」
『うん?あたりまえでしょ?』

久実も興味深々に会話に参加してくる
千隼くんは興味なさそうに本を読んでいた

「じゃあ、豹がコンプリート出来なかった内のもう1個って名前チャンのだったんだ。」
『あー。あったね。そんなこと。』

あまり思い出すのも面倒な話だけど

「私気になってたんだよね。その話。」
「オレもーオレもー!ほら、千隼も」
「いや、別に」
「嘘だから、本当は気になって仕方ないから。話して!」
『んーと…たしか…


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「名字さん、オレにスクールリングくれない?」
『?どなた?なんではじめましての貴方にあげないといけないの?』
「柿木園豹。集めてるんだ。」
『なんのために?』
「永遠の愛の名を持つこのリング集めたら愛がわかりそうだから。だから…」
『私、顔の良いだけのバカはきらいなの。』
「え?」
『好きな人同士で交換するためのリングでしょ。集めても意味なくない?てか、交換しなよ。そんなこともわからない人にあげる女もバカだけど。とりあえず、他をあたって。』



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『…ってことが、あったかな?』

それからなんか女子には嫌われたし
柿木園豹にも言い過ぎたかなって思ったけどチャラチャラしててウザくて近寄るの嫌で遠ざけてたし

「名前って本当ストレートにいくよな」
『千隼くん聞いてたんだ』

ギロッと睨まれた

「何だろ、今の話だけでも名前チャンがどんな表情でいったか想像できる…」

竜生くんが顔を真っ青にして言ったのに久実も納得していた

『本当の事だもん。それに簡単にあげたりしたらリングの意味なくなっちゃう気がするし』

「そうだよね。オレもカンナサンとのリングはすごく想い出深いものだもん!」

『はいはい』と流したが顔がのろけだした竜生くん
柿木園豹が久実を迎えにきて先に帰ったので、私たちも帰る準備をした

『竜生くん、妄想から戻ってこないね。』
「おいて帰ればいい。」

千隼くんはそう言って歩き出したので、竜生くんに心の中でごめんと手を合わせ千隼くんを追いかけた

千隼くんは必ず私と歩調を合わせてくれる
だから同じ速さで横にならん出歩ける、そんなことが嬉しく思う

「豹に、」
『え?』
「豹だけじゃない、他の誰とも交換してないんだな。このリング」

千隼くんは指にしているリングをちらつかせた

『そうですよ。千隼くんが初めてですよ?千隼くんと違って。』
「トゲのある言い方だな。クマ女はつけてないから、お前が初めて着けた女であることに変わらないだろ?」
『そうだね。千隼くん…大事にするね。リングも…千隼くんも!』
「どうぞ、よろしく」

千隼くんはぶっきらぼうに私の手をとって歩き出した

『ふふっ、意地わるいなぁ。ついでにツンデレ?』
「違う」




198個の理由。
それはいつか貴方と交換するために守った恋心

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