「成歩堂はいるか?」
今日の仕事も終わり、疲れからか事務所のソファーでうとうとと微睡んでいたら御剣が来た。
「ん…ここにいるよー」
起き上がるのが面倒で奥のソファーから手をひらひらさせると御剣は渋い顔をしながら近づく。
「む…客人に対してその歓迎の仕方は如何なものかと思うが?」
「えーだって御剣は特別な客人、って訳じゃないし」
「…何だと?」
ただでさえ深い御剣の眉間のシワが更に深くなる。
「僕とお前の仲、ってやつじゃん?気にしない気にしない♪」
「…矢張みたいな事を言うな」
ソファーに寝そべったまま話す成歩堂を御剣は不機嫌そうに見下ろす。
「そんな怒るなよ」
「…」
更に不機嫌そうにしてる御剣に成歩堂は少し眠そうに言う。
「こんな自分を見せれる君は僕にとって『一番特別な人』なんだからさ?」
「む…ぅ…」
さらりと嬉しくなる言葉を言われ御剣の顔がボッと赤くなる。
「ふぁ…所で何か用?」
「あ…あぁ、今日はこれを君に渡そうと思ってな…」
欠伸をしながら身体を起こした成歩堂が訊ねると御剣は思い出したかの様に鞄からごそごそと可愛らしいラッピングの施された袋を取り出した。
「?」
「これを、君に」
「…?あ、ありがとう…」
いきなりのプレゼントに成歩堂は首を傾げる。
何かあったかなぁ…?
「…開けてみたまえ」
「えっと、じゃあ、開けるね?」
不思議そうに袋に手をかける成歩堂を嬉しそうに見る御剣。
御剣がそこまでプレゼントの開封を催促するとかちょっと嫌な予感もするんだよなぁ…と思いつつリボンをほどき袋の中身を見た瞬間、成歩堂の眠気は跡形もなく吹っ飛んだ。
眉間に深いシワが刻まれ、ダラダラと嫌な汗が流れ出す。
「み…みつる、ぎ…?」
「何だ」
「これは…一体…なに…かな?」
「見ての通りの物だ。そんな事もわからないのか?」
「わかるわそんな物!だから『何でこんな物を僕に贈る』のか聞いてるんだよ!このエロ検事!」
顔を真っ赤にしながら成歩堂は中身を御剣に投げつけた。
ーワインレッドのトランクス。
それが中身だった。
「こ、これは『メンズバレンタインデー 』と言ってだな…」
「………」
そっぽを向いてぶんむくれている成歩堂にしろどもどろに説明をする御剣。
「それでだな…今日は男性から女性に下着を送って愛を告白すると…」
「……………今、何て言った?」
ぴくり、と成歩堂が反応する。
「だから男性から女性に…」
「 ・・・御剣 」
「何だ」
じと目で御剣を見る。
「…僕は『男性』だ。『女性』じゃない」
「もちろん知っている」
「じゃあ何で」
「それは勿論…」
成歩堂が振り向いた瞬間、御剣はいきなり彼をソファーに押し倒し耳元で囁く。
「君は私にとって『女性』の様にか弱く…とても愛らしい『特別な人』なのだよ、成歩堂」
「な…っ!」
不意を突かれて赤面する成歩堂を見て御剣はニヤリとする。
やはり彼は…愛らしい…
成歩堂の頬をそっと撫でると囁く様に呟く。
「愛してるぞ…龍一」
そう言うと上着を脱ぎながら成歩堂の上に跨がりクラバットを緩める。
「ちょ…み…御剣…?」
あたふたと慌てる成歩堂の頬に優しくキスをして一言。
「今夜は君をその下着の色の様に染め上げるから覚悟する事だな」
Yahoo!検索を開いたら目についたので突発的に書き上げました。
その後は『お楽しみ』になりそうでならない予定(何