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私は人々の記憶を大切に保存する妖精。人は忘れてしまう生き物だから、その人の代わりに大切に大切に保存する役目を受け持っている。
私は妖精だから忘れない。ーえ、妖精=忘れないの確証?無いに決まっている。
その人が思った感情を、その人の身に起きた出来事を、黙々と記録していく。
悲しい記憶も楽しい記憶もその人のものであり、大切だから。
たまに“何故思い出させる”と私に八つ当たりしてくる人も居るけれど、よく思い出してみて。
それは、全て悲しい記憶?大分アバウトに記憶していない?
ーほら、解決した。
私が一番好きな瞬間は、楽しい記憶を思い出している人の笑顔。
私が一番嫌いな瞬間は、辛い記憶を私の一部ごと消し去ってしまう人を見ること。
消す前に考えてほしい。当時の自分の気持ちを思い出してほしい。
それが例え辛くてもーそれはあなたの人生の一部なのだから。
そんなに簡単に人生の一部を消さないで。
私は人の記憶を大切にする妖精、またの名を、日記という。
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