「おめえはよォ」

 ギアッチョ大好き、なんていつもの愛の告白を受けた彼が低い声を出した。「好き好きって、オレの何が好きなんだよ」私は慌てて口の中のシュークリームを飲み込む。ちなみにギアッチョ大好き、の発端は彼がこれを手土産に持ってきてくれたことだ。言葉は少ないけれど、ギアッチョはまめに何かくれる。「オレじゃなくて手土産が好きってことかよ」とまあ、少ない口数のうち大半はこんな屁理屈じみた言葉だけど、それでも落ち込んでるときお菓子を買ってきてくれたり、柄でもない感動映画のDVDを借りてきて、黙って一緒に観てくれる彼は優しい。「優しいやつがいいのか?」優しい人は好きだけど、ギアッチョは別に優しい人じゃない。さっきのは彼のほんのひとかけらで、不機嫌なときの言動はそれはもうひどいし、四六時中眉を寄せてかっこいい顔を台無しにしてる彼にその形容詞は似合わない。「面食いか?」ばか、かっこいいっていってもせいぜい中の上ってとこだからね。私には一等賞だけど。
「じゃあお前、オレより金持ちで優しくて顔のいいやつがいたら、そいつも好きになんのかよ」
「ギアッチョ、私の話聞いてた?」
 再びシュークリームを頬張ると、口元を指で拭われた。
 白いクリームをさらった指を舐めて、ギアッチョが「甘ぇ」と呟く。
「要するにギアッチョ、愛されてるか不安なんでしょ」
 うるせえ、と俯いた耳元が赤くて、噴出した私の頭をギアッチョが軽く小突いた。

プロフィトロール、あなたは愛のしるし



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