王子様、 | ナノ



第一印象最悪で絶対誰も話しかけないと思ったのに、勇者様はいるようで王子さまの容姿に引き込まれたミーハーな女子は1限目が終わってすぐに王子さまに話かけに行った。なんだかとても苛々する、これ嫉妬かしら


そんな中、主犯である瀬川知佳は周りが止めるのも聞かずに私を屋上に呼び出した。何かされるのかと思うと怖いが行かないと行かないで教室の空気が怖いし、まぁ今更だけど。それに話の内容は予想がつく、と屋上へ向かった


「ねぇ、なんでまだ生きてるの?昨日死んだはずなのに」

「・・・・・・殺し屋、の事?」

「そうよ、パパに頼んだはずなのに!なんでアンタ生きてるのよ気持ち悪い」

「ああアレ?弱すぎて話になんねーって。金出すだけ無駄じゃね?」


どこから現れたのやら王子さまは屋上の上のタンクのある場所から2人の会話に参加する。その瞬間に瀬川さんの顔つきが変わった

私は一人、会話に取り残される


「アンタね・・・私の家に気色悪い死体を置いてったのは!」

「だってお前が寄こした奴じゃん」

「私の邪魔するなんて許せない」

「ごけっこー別に許さなくていいけど」

「ああ、そう・・・お前も一緒に殺されればいい」


そう言って醜い顔で私を睨んでから瀬川さんは屋上から立ち去った。意味が分からない、だって王子さまが私を殺しに来たんじゃないの?




非情な偶然と偶然




王子さまの話によると王子様が暗殺者なのには間違えなくて、でも瀬川さんに依頼されて私を殺す人は別にいたらしい。その人を殺すのが王子様の任務で。
ぜんぶ偶然、


「なんだか複雑・・、でも私は王子様に会えて良かった」

「なまえ可愛いーオレも会えて良かったし」


会えてよかった?そんな事を言われるのはどのくらいぶりだろうか、いや初めてじゃないか?ほっと心が熱くなり目頭までじーんとしてきた。久しぶりだ生理的な涙ではない、感情的に零れる涙。ああもう恥ずかしい
涙を手で拭いていればポンッと王子さまの手が私の頭にのった。この温かい手で人を殺しているなんて信じられないや


「なぁ・・・何でアイツなまえを殺そうとしてんの?」

「うんとね、前に私が指切ったとき獄寺くんが私を心配したからだって」

「は?くだらねぇ、今からアイツ殺してこよっか?」

「今は駄目。それに被害者は私だけじゃない。前にも殺された子がいたの」


そうだ苦しんだのは私だけじゃない。笹川京子も彼女の手に者より殺された。沢田くんあんなに笹川さんが好きだって言っていたのに何故笹川さんじゃなくて瀬川さんを信じたのだろう

裏切り者は大嫌い。たとえどんな理由が有ろうとも。もしも私に殺す力があるのならば一番苦しい方法で殺してやるのに


「・・・なまえ?王子の存在忘れてね?」

「へ?ちょっと考え事してしまって」

「うしし、ぼーっとしてるとキスするぜ?」

「き、教室戻りましょう」


涙の痕は消えた。残ったのは胸の温かさと王子様へのときめきだけ




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