みじかいはなし | ナノ



冷たい雫がぽつり鼻先に落ちてきた。あぁ雨が降ってきたのか。ぼうっとしていた頭を回転させ、とりあえず夕立を避けるため雨宿りをする


「あ。」

「・・・・・」


駆け込んだ公園の屋根付きベンチの下、そこにはムスッとした雲雀さん。目が合ったのに彼は興味無さげに目をそらされた


「雲雀さんも雨宿りですか・・・まぁ流石にこの雨ですしね」

「・・・何言ってるの?僕がいたいからいるだけだよ」


そうは言うが、まだ少ししか濡れていない学ランを見る限り、あからさまに雨宿りだと思う。ふふふ。これはただの強がりか、いつも遠くから眺めて思っていたが、やっぱり可愛い人だ


雨が止むまで
でも無言の空気は嫌じゃない


暫くして草壁さんが雲雀さんに傘を持って来て、あぁ帰るんだ。なんて眺めていれば「これ、使いなよ」と差し出された傘に胸がキュンとした。あ、修正しないと。彼は強がりじゃなくてツンデレなんだ



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