夕食の準備をしていれば、叔父が後ろから声をかけてきた。それからポンッと私の頭を優しく撫でて鍋の中身を覗いて「今日は肉じゃがか」と呟く
「うん、駄目だった?」
「いや好きだぜ?火火火」
叔父はもう一度私の頭を撫でてタバコに火をつけて紫煙を出す。嫌いだったタバコの匂いは少しだけ慣れた。いや慣れないと叔父とは生活できないだろう。
小皿に少しだけ肉じゃがをよそい叔父に味見をして貰えばニヤリと笑って「うまい」と言った。素直に嬉しい、叔父に言われる言葉ならきっと何でも嬉しいと思える。
「もう直ぐ出来るから座って待ってて?」
「ん、」
ごはんをよそり、魚の煮付けも用意して出来たばかりの肉じゃがを皿に乗せて運ぶ。叔父は待ってましたとばかりの表情で私に怪しい笑顔を向けてくれる
あたたかい時間
でも永遠でないと知っている
叔父が「あの男」の下にいる限り、いつか私は再び1人になってしまうのだろう。全てが終わり叔父と2人の生活に戻れるのか何て分からないけれど
「おじちゃん、ご飯粒ついてる」
幸せな今だけを見つめ私は泣いたりせずに待つから、どうか無事でいて。けれど私がそんな事を思っている事を貴方は気づいてないのだろうね