みじかいはなし | ナノ



どう思い返してみても今の状態はおかしいと思う。仰向けになった私の視界には天井と下品な笑みを浮かべる吾代さん。事務所まで弥子をバイキングに誘いに来た私が何故ソファーに押し倒されてこんな事になってるんだろうか


「あの、吾代さん?怖いです退いてください」

「あァ?黙ってろ」


そう言って吾代さんは逃れる間もなく顔を近づけけて私に長く深いキスをした。こんな体勢でキスされて彼が続きをしないとは思えない。怖い。恐怖心ばかり増して顔が引きつる。そんな私の思いも知らず吾代さんは私の服に手をかけた、今日に限って事務所に吾代さんしかいないなんて私はつくづく運がないと思う


「い、いくら女相手がいないからって私を掃き溜めにするのは酷いですよ!?」

「喧嘩売ってんのかァ!?」

「違うけど違いますけどおお!!」


必死の抵抗も虚しく吾代さんの私の両手を何処から持ってきたのか紐で縛り手はスカートの中から簡単に入ってきた。そして太ももを伝って下着の上から秘部に触れ、ニヤリと笑って弄り出す

逃げたくても逃げられない、現状。これから起きる事への不安と恐怖で声など出せず震える。自分以外が初めて触れた其処は実に妙な感じがした。男性との経験が無いだけで己の手で欲を満たした事が無いわけじゃない。でも一人でするソレとは明らかに違う感覚


「ごっ、吾代さっ・・・本当に、悪い冗談はやめ・・・ッ」

「さっきのキスは冗談の内にはいんのかよ」


そう言われると困ってしまう。あのくらいのキスなら数える程だがした事はある、しかし冗談に入ると言えば私は軽い女とされてしまうのではないか?それは嫌だ。泣きそうな顔で首を横に振れば吾代さんは更にニヤリと笑って私の反応を楽しむように下着の中に指を入れてきた。
驚きで思わず声が漏れる


「っ・・・ひゃあ」

「別に好きでもねぇ女だって抱けんだよ」


ボソリと言った吾代さんの一言に何とも言えぬ喪失感に襲われた
だったら私じゃなくて別の人とやっていれば良いのに何で私なの?私にだって初めてする時の理想くらいある、なのに何ゆえ恋人でもない奴の相手を無理やりさせられて初めてを奪われなきゃいけないの?


「お、女影の無い吾代さんが、そん、な事を言う日が、あっ・・・来るな、んて・・・っ」

「何泣いてんだ?」

「こんな事、され、て・・・、泣かない方が可笑しいですよ、」


私が泣いたって吾代さんの手が止まる事は無かった。中まで侵食してきた指は膣内を掻き混ぜるように激しく動いて私に痛みを与える。溢れ流れる涙は止められず、出したい訳でもないのに声が勝手に漏れた。しかし漏れたのは涙だけでは無かったようでぬちゃぬちゃとした私の愛液は吾代さんの手を汚した


「なんだ、もう濡れてんぞ?」

「そんな、事・・・言われなくたって・・・」

「分かってるってか?なら話が早ぇな」


こんな状態で早いも遅いもあるのだろうか?私のシャツを空いている片方の手でたくし上げブラジャーを外して胸を揉み、少し弄ってから吸い付いては舐めるを繰り返す。殴りたいのに手の自由が利かなくて殴れない。
その内手先がジンジンともピリピリとも言える様な感覚に落ちつま先から力が消る。下の方で動く吾代さんの指に合わせくちゅくちゅと厭らしく響く音が更に私を虚しくさせた


「もういいだろ、」

「な・・・、何・・・?」


ジーパンのチャックを下ろして吾代は自分のモノを私に向けた。太く勃ち先の方が少しだけぬるぬるとしているそれは、やけに生々しくてこれが自分の中に入れられるのかと思うと先ほどよりも怖く涙も薄れた

ゆっくりと、ねっとりと、私の中に異物が入る。あまりの痛みで涙は零れるし、きっとお気に入りのスカートも血で汚れただろう。腰を沈めながらずっぽりと奥まで入ってから吾代さんは激しく腰を振る。痛くて、気持ち悪いくて、恥ずかしくて、なのに嫌でも声が出る


「もう・・・、やめ、て・・・ふぁ・・・っ」

「はぁ、っ、それは聞けねぇな」


キツそうに息の上がった吾代さんの顔が目の前でニヤリと笑う。それから「っく、」と言ったかと思えば私の中が熱くなった。吾代さんの腰が離れると膣からトロリと液が零れていく。それは彼の・・・、ゾクリと背筋が凍る。吾代さん、もしかしてゴム付けてなった?

青ざめる私の顔を楽しげに見てから吾代さんは息を整え起き上がり、私の両手を縛る紐を外し、ズボンを穿いてデスクの前の椅子に座って外を眺める。まだ痛くて動けない私は、肌蹴た服を整えその場で涙を流す以外出来る事がなかった


「なんで、こんな事したんですか?」

「何でだろな・・・、抱きたくなった」

「そんな身勝手な・・・」

「告白してフられて話さえ出来ねぇーようになるぐれぇならコッチのが確実だろ?」

「・・・今日ので普通から大嫌いに成り下がりましたよ、さよなら」


それだけ言って、床に落としていた鞄を拾い私は事務所を逃げるように去った。事務所のドアが閉まる直前に吾代さんの声が聞こえたけれど戻りなんてするものか。好きだったら私の意志なんて無視していいっていうの?さすが小卒。私なんかと考えが違い過ぎる

駅に向かう道を一人苦痛を隠して歩いた。立っているだけでズンズンとお腹の下のほうが痛む、これは彼を受け入れた証拠であり、これから先、私は会うたびにきっと嫌でも彼を意識してしまうんだ

好きだなんて言われたって全然うれしくなんかない。大体これで赤ちゃんでも出来たらシャレにならないじゃない

・・・本当、シャレにならない


「馬鹿野郎!どう責任とるつもりなのよ!」


1ヵ月後、まさか本当にこんな罵りをしなければならない日が来るなんて。それを望んでいたかのように笑う彼が憎らしい!



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