肩を並べ互いの手を絡めて歩いている2人の姿は誰が見ても分かるだろう所謂カップル。私たちの姿は誰もが振り返るくらいにお似合いでカッコいいと私は自信を持って言える。自分のスレンダーなこの体もメイクせずともイけるこの顔も誇りに思うし、彼氏である佐助は誰もが思わずかっこいいと零すような容姿に加え細身な筋肉質、誰もが羨んで当然のようなカップルだ。だからお互いこの容姿で一筋なんてのが無理な話だと思うのよ。
「今日は暑いし家でゴロゴロしなーい?」
「する事もないしね、良いよ」
「じゃあ決定!最近時間無くて全然イチャイチャできなかったしねー」
「あぁそーだね、一ヶ月くらいヤってないっけ」
暑さと歩くことへの面倒くささから自然と歩みが遅くなってゆく。もうすぐ秋だってのに今日のこの異常な暑さは何だ、もしや神様が暑さ理由に私の乾燥したアソコを潤そうとしてくれたのか?なんて馬鹿なことを考えてアホらしいと自分を嘲笑する。大体、佐助としてないだけでしてないワケじゃない。
「佐助の息子ちゃん、使わな過ぎてカビ生えてない?大丈夫?」
「あはー心配には及びませんよ、ってね。女の子には困ってないから」
「なら良いけど。あー喉渇いた」
「じゃあ、そこのコンビニ寄ってこっか」
「うん」
それからコンビニに駆け込んだ。まるで別世界のように涼しい店内に思わずはぁと息を漏らす。なんて気持ちの良い場所なんだろうか。ぼおっと涼しさに耽っていれば陳列された飲み物たちの前に腕を引かれて連れてこられた。こうして見るとどれもこれも飲みたくて仕方がない。炭酸でしゅわーっとするのも良いしフルーツジュースでほにゃあとなるもの良い!結局、優柔不断な私は決めることが出来ず佐助が適当に取った怪しい着色料の塊みたいな飲み物が私の手に渡った。
「お!見て佐助!舌カビはえた」
「うわー、凄い着色料だねー」
「佐助が選んだんだから佐助も飲んでよ」
「俺様がそういうの好きじゃないの知ってんでしょ?」
「まぁ別に良いけど、後で佐助の息子ちゃん染めてやるから」
そう言えば「はいはい」と軽くあしらって私の腰に腕を回した。なんだか余裕ぶっこいた態度がイラッとくる、もう良いし絶対に口でしてやらないから!とは思うが私じゃなくても佐助には上手そうな子いっぱいいるから不要だろうけど。
まぁ佐助が誰としてようが私と会う時しっかりしてれば何でも良い、私も政宗とやりたい放題してるしね。そういえばその事を前にかすがに話したらエゴイストとか言われたっけ?でも、それは佐助も同じ事だし。利己的主義者はお互い様。だから別にこの恋愛に不満はない。そう思う私は幼いだけなのかもしれない。