倉庫から出てきたシルバニアファミリーのわたウサギ(男の子)を手に取り「次の代のショコラウサギも可愛いよなァ」と呟く彼を見てシルバニアで遊んでたのかよ!と突っ込みたくなるのを抑え、黙って倉庫の片付けを進めていた。
何故こんな展開になっているのかと言うと母に言われ仕方なく倉庫の掃除していた所にコイツが来たのだ。助けが来た!楽できる!と思ったのは束の間で次々に出てくる懐かしい女の子の玩具に彼は目を輝かせて語ってきた。正直うざい、そして邪魔
「なァ、コイツらの家は何処だぁ?!」
「ありません。」
邪魔する彼に腹がたって、と言うわけでなく本当にシルバニアの家はない。しかし「リカちゃんのお家で代用してたから」なんて言ったら乙女な彼に怒られそうだったから、素っ気無く返事を返して使わなくなった扇風機やらを紐で縛った。物凄い埃に喉がやられる、体調崩して寝込んでしまうかもしれないな
「おっ!あんだよ、あんじゃねぇか」
「え?あー・・・」
「はっは!家具も探せば出てきそーだなァ」
「邪魔すんなら帰れや」
ああ元就の気持ちがわかる。そう思いながら幼い時に破れて使わなくなった大きなビニールプール(何年間放置しといたんだ)を取り出して運ぼうとしたが足元で愉快な動物たち(シルバニアの仲間たち)と遊んでいる元親に足を取られ、背中から強く倒れてしまった。シルバニアの家具が、まん丸お目目の人形が、背中に刺さってじわりと痛い
「悪ぃ!大丈夫かァ?!」
「人形の首、全部引っこ抜いてやる」
「なっ、コイツ等は悪くねぇ!」
元親は何を必死になってるんだか。痛い背中を押さえながら起き上がればミニチュアの椅子や机は思いっきり折れていた。あーあ売れるかなって思ってたのに全部コイツのせいだ。本当邪魔しかしないよね、呆れ溜息に流石の彼も焦ったか無言で掃除を始めてた。まぁ当然だと思うけど
それから片付けを終え、数年ぶりにシルバニアを手にとってひとつひとつ首をぬいてやった。恨むなら元親を呪え