※バレンタイン話




「…死ね」

「っ…いきなり何、剣太郎らしくない」

「…別に、伶奈には言ってないよ」

「…今日バレンタインだから、拗ねてんの?」

「…………別に」

「(図星か…)別にチョコなんてもらえなくてもいいじゃん」

「今年こそ、ハーレムウハウハのハズだったのに…!」

「いっつも思ってたんだけど、そんな言葉、どこで覚えてるの」

ガラッ

「あれ、まだ2人だけか」

「ダビデ先輩」

「ねーダビデ、ダビデはチョコもらったの?もらったよね?何個?」

「(剣太郎どうしたの)」

「5つ」

「あれ、去年より減りましたね?」

「でも十分多いだろ。知らんけど、前が異常だったんだ。まあ、たくさんあるに越したことはないから正直残念だけど、どうせサエさんから余り物もらえるし」

「いーなー、5つも、いーなーっ!」

「剣太郎、なんでそんなテンション高いんだ」

「別に、高くないよ!!」


ガラッ

「あ、首藤先輩、バネ先輩、木更津先輩。こんにちは」


「ちょ、聞いて!俺、今年貰えた!」

「ウッス!おーダビデ、俺のチョコ1個やるよ!」

「どうせバネさんの余り物のくせに。バネさん俺、今年5つ」

「勝った〜俺7つ〜」


「クスクス…首藤、喜びすぎ」

「聡くんだけは味方だと思ってたのに…!」

「木更津先輩は…また、すごい量ですね…紙袋なんて…」

「半分以上、淳のだよ。渡してくれって。クスクス…ま、全部僕がもらっちゃうけどね。アイツに変な虫がついたらたまんないし」

「(ほんと、弟大好きだなこの人は)」

ガラッ

「あれ、樹先輩…」

「すげえないっちゃんまで、まさかの紙袋!」

「別にすごくないのね。カバンは別の荷物があるから入んないだけなのね。それに、チョコ作り手伝った女の子の、お礼チョコも入ってるし」

「何個?」

「12なのね。本命は、ありがたいことに9つでした。」

「………」

「(剣太郎が本格的に喋らなくなってきた)」


「いやいや、十分モテモテじゃんよ。それにしてもいっちゃんのチョコは、店で買ったやつが多いな」

「なんか、俺なんかに手作りは恐れ多い、って言われたのね」

「あー…」

「首藤のチョコ、かわいい」

「だろ!?実はアドレス交換もして…」

「へぇ。騙されないようにね」

「んなっ」




「おーい。ドア開けてくれないか」




「……佐伯先輩の声?」

ガラッ

「お、ありがとう伶奈、」

「……すげえ」

「すごい」

「すごいのね」

「紙袋3つ!?」

「はは、1m歩く度に声かけられてさ、下駄箱もすごいことになっちゃってたし。あ、剣太郎、ちょっとチョコで場所取っちゃうけどいい「今日練習無し!!!」

「…え、おい剣太郎…」

「無しったら無し!!」

「………」

「今日は皆で潮干狩りするの!」

「!?」

「っおい剣太郎、今2月だぞ!?」


「うわぁぁぁぁぁん」


((行っちゃった…))

「…っていうか伶奈、まだ剣太郎に渡して無かったの?…本命チョコ」

「いやあ…あんだけ欲しい欲しいって呟かれたら、逆に渡すタイミングが分からなくて……」

「確かにな…よっしゃ、剣太郎連れ戻したら、雰囲気は俺らが作ってやるから、伶奈はちゃんとチョコ渡せよ?その後、サエのチョコでパーティーだ!」

「何それ決定事項なんだ。」


その頃の剣太郎。

ザッパァァン…

「うわぁぁぁぁぁん…皆、致死量の鼻血を出しちゃえばいいんだぁぁぁ!!」

荒れ狂う浜辺で、震えながらひたすら砂を掘っていました。




死ね!バレンタインデー

(おーい剣太郎、なんか、お前に渡したいものがある女の子が部室にいるぞ?)
(えっ、本当バネさん!?)



………………・
新てに6巻、チョコランキングと、某笑顔動画より。

数は、持ち運べるくらいまでに減らしちゃいました。

樹っちゃんがランクインしてて嬉しかったんです…!

順位が無かったダビデさん、首藤、剣太郎は私が適当に中学サイズ。
とにかく剣太郎をいじめたくなっちゃったので、首藤にもチョコをあげました!

サエさんは皆からもらったチョコを部員に配るけど、
とりあえず開封と一口目だけは必ず自分が頂く。
自己満の優しさ。